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聞いてみた・やってみた

「自分では見えないところも、ガイドヘルパーによって“見える”」同行援護初体験の感想を聞きました

北原さんと谷越さんが、空を見上げながら話している写真。

2022年の12月某日、視覚障害者の北原さんは初めて同行援護を利用しました。

1人で出かけることも多い北原さん。同行援護では普段できないことに挑戦したり、周りの景色を楽しんだりと、ガイドヘルパーと一緒だからこその体験がたくさんできました。そんな北原さんに、実際に体験して感じた同行援護の魅力や印象に残った出来事をお聞きしました。

北原新之助(きたはら・しんのすけ)さんの略歴

紅葉した木々を背景に、こちらを見る北原さん。

網膜色素変性症で視力は両目とも0.05。視野は2〜3度で、夜盲がある。白杖ユーザー。普段の生活は1人で送っており、同行援護の利用は今回が初めて。

得られる情報が多くて楽しかったです!

上野公園の西郷隆盛の銅像の前を歩く北原さんと谷越さん。

今回、初めて同行援護を利用してみていかがでしたか?

僕はまだ少し見えていて、今のところ1人で行動するのに大きな困難はないんです。今は、初めて行くところでも1人で行っています。でも今回、同行援護を利用して、ずっと興味があったけど誰かと一緒じゃないとできないからと諦めていたことにチャレンジできて、とても楽しかったです。

今回の同行援護を経て、病気が進行してもっと見えなくなったら、より多くの場面で利用したいと思うようになりました。

ー体験して感じたメリット・デメリットを教えてください。

メリットは、自分では見えない部分も、ガイドヘルパーによって“見える”ことですね。どこに何があるかとか、歩いているときに何が周りにあるかとか。自分1人で歩いていてもわからない景色を知ることができました。博物館を巡ったときも、イベント会場を回ったときも、自分では気づかないところを教えてもらうことが多かったので、1人で出かけるときよりも得られる情報が多くて楽しかったです。

とくに印象に残っているのは、もみじの色を教えてもらったときです。ただ「赤」と言うだけじゃなくて、緑から黄色、赤にグラデーションになっていると伝えてもらえたので、より鮮明な情景が目に浮かびました。

デメリットは……思いつかないですね。本当に楽しく過ごせました。

北原さんが同行援護で博物館の見学やボート体験をした記事は以下のリンクから読むことができます。

参考:
ガイドヘルパーの目を通して見る博物館。同行援護に密着 | Spotlite(内部リンク)
「人混みも騒がしさも、同行援護を利用すれば大丈夫」安心・充実のイベント参加 | Spotlite(内部リンク)

同行援護を利用し、自転車に乗って風を切りたい

左斜め上を見ながらボートを漕ぐ北原さん。背景左側にビル、中央から右にかけて池が広がっている。

ー同行援護の中で特に印象に残っていることを教えてください。

手漕ぎボートに挑戦できたことです。ずっと興味があって、せっかく同行援護を利用するならチャレンジしたいと思っていたことだったのもあって、特に印象に残っています。

もし自分1人でボートに乗るなら、どこに向かっているのかわからず、周囲の状況を把握しきれないと思います。でもガイドヘルパーが声で案内してくれたおかげで、どうやって漕いだらどの方向に進むか、周囲に危険はないかを知れたので、初めてでも不安なく楽しめました。「ここに鳥がいる」とか、周りの状況も教えてもらえたのも嬉しかったです。ただ、一生懸命やりすぎて、ボートを降りた後に腕と手のひらが痛かったです(笑)

北原さんのボート体験の記事は以下のリンクから読むことができます。

参考:初めてのボート体験。同行援護で、視覚障害者でも安心して楽しめました | Spotlite(内部リンク)

ーもう一度同行援護を利用するなら、何をしたいですか?

ガイドヘルパーと一緒に、2人以上で乗れる自転車に乗りたいです。僕は晴眼者だったときは自転車でよく出かけていたので、自転車に乗って風を切る爽快感を久しぶりに感じたいですね。今回の同行援護でボートを体験したように、今後も、1人では体験するのが難しいことに同行援護を利用したいです。

同行援護で初めてのことに挑戦するのもおすすめです

上野、不忍池弁天堂の香炉の横に立つ北原さんと谷越さん。香炉からは線香の煙が立ちのぼっている。

ー同行援護の利用前後で印象は変わりましたか?

変わりました。これまでは同行援護を利用するために必要なことがわかっていなかったので、同行援護は少しハードルが高いものだと思っていました。しかし実際に利用してみると、必要なのは簡単な面談くらいで、ハードルはあまり高くなかったので、印象がいい方向に変わりました。

また、利用内容についても印象が変わりました。同行援護を利用する方は、病院への付き添いなど、普段やっていることを一緒にやってもらうことが多いと聞いていました。だけど今回の僕のように、初めてのことに挑戦するのにも同行援護を利用できると知って、さらに利用へのハードルが低くなりましたね。

ー同行援護に興味がある方に一言お願いします。

同行援護はいろんな使い方ができるので、多くの人が利用しやすいものだと思います。「普段やってることを一緒にやってほしい」「自分が今までできなかったことも、誰かと一緒だったらできるかもしれない」と思う方は、ぜひ一度同行援護を体験してみてほしいです。

イベントスタッフの説明を聞く北原さんと谷越さん。

北原さんは、今回の同行援護で様々な体験をしました。この記事内でご紹介したほかに、以下の記事があります。

参考:
同行援護中に、視覚障害者の避難シミュレーションゲームを見つけました | Spotlite(内部リンク)
同行援護を利用して、公園散策してみた | Spotlite(内部リンク)

Spotliteでは、視覚障害者の外出時にガイドヘルパーを派遣する障害福祉サービス「同行援護」の事業所を運営しております。同行援護に従事するのに必要な資格取得のための研修も実施しています。

利用者、ヘルパーともに、若年層中心の活気ある事業所です。余暇活動を中心に、映画鑑賞やショッピング、スポーツ観戦など、幅広いご依頼に対応しています。お気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いたライター

Spotlite編集部

Spotlite編集部は、編集長で歩行訓練士の高橋を中心に、視覚障害当事者、同行援護従業者、障害福祉やマイノリティの分野に精通しているライター・編集者などが協力して運営しています。

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