背景を選択

文字サイズ

ツール

点字とは?仕組みや読み方、歴史を紹介

インターホンの点字案内に触れて確認している女性

このページでは、点字にまつわる内容をまとめています。
目次をクリックして、気になる内容に飛んでみてください。

点字とは?

階段の手すりの点字を指で確認している写真。

点字とは、視覚障害者が、読んだり書いたりするための文字です。6つの点の組み合わせで文字や記号を表し、指先で触ることで読み取ります。

点字は英語で「Braille(ブレイル)」といい、6つの点でアルファベットを表します。世界中の国々で使用され、利用国数はユネスコが確認しているだけでも100カ国以上です。

もし点字図書館の場所を探している場合は、以下のリンクをクリックすると、各地の点字図書館の場所を検索できるGoogleマップが開きます。(外部リンク)

点字のしくみと読み方

点字はタテ3点、ヨコ2点の合計6点を1マスとして構成されています。すべて横書きで、左から右に向かって読みます。

1マスの中で左上の点を1の点、左中央の点を2の点、左下の点を3の点と呼び、右下の点は6の点です。1、2、4の点で母音(あ・い・う・え・お)を、3、5、6の点で子音を表し、母音と子音の組み合わせで文字を表現します。

以下に50音の点字一覧表を引用します。

点字の清音50音一覧

引用:点字入門 | 慶應義塾大学経済学部日吉心理学教室自然科学研究教育センター(外部リンク)

上記の表以外の表現は、以下の記事で詳しく解説します。参考にしてください。

参考:点字一覧を紹介。読むとき【凸面】のルールを中心に解説 | Spotlite(内部リンク)

点字の歴史

点字の歴史はフランスから始まりました。軍事目的で、夜の文字として12点式の点字が生まれたのが最初です。その後1825年、フランスのルイ・ブライユが12点式点字を改良し、今の6点式点字が作られました。

日本語の点字は、1890年に東京盲唖学校の石川倉次が考案したものです。50音は石川倉次のもの、数字はブライユと同じものが使われています。

点字の打ち方

点字は、紙の裏側から点筆という道具で打っていきます。右から左に打っていき、点の位置も鏡のように反対になります。

点字器セットで点字を打っている手元の写真。

点字の打ち方には、主に3つの方法があります。

  • 点字器セットを使う
  • 点字タイプライターを使う
  • パソコンの点字ソフトで入力してから、印刷する
点字器セットの写真。

点字器セットには、点字器(紙を抑える板)、点筆(針のついたペンのような道具)、点消し棒の3つが含まれていることが多いです。

参考動画:日本点字図書館 点字にチャレンジ「2.点筆・点消し棒の使い方」(1分47秒)(外部リンク)

パソコンの点字ソフトには、カナ入力やローマ字入力に対応しているものもあります。

点字と墨字の翻訳

点字に対し、紙に印刷された文字を墨字(すみじ)と呼びます。墨字から点字への翻訳を、点訳と呼びます。

点字と墨字を相互に翻訳するには、以下の方法があります。

  • 点字通訳者に訳してもらう
  • 点訳できるサイトを利用する
  • 点字翻訳機を使用する

点訳ができるサイトには、「eBraille」などがあります。漢字仮名交じり文を点字に自動翻訳できる機能があり、2010年度グッドデザイン賞を受賞しました。

参考:eBraille(外部リンク)

2021年に発表された点字翻訳機「:::doc(てんどっく)」には、画像から文字を読み取り、墨字と点字の両方を表示させる機能があります。参考::::doc(てんどっく)(外部リンク)

点字はどこに使われているか

エレベーターのボタンの点字案内の写真。

生活のあらゆる場面で、点字は使われています。

例えば以下のような場所で、点字は見つけられます。

  • エレベーター
  • 駅や病院の案内板
  • 銀行のATM
  • 自動販売機
  • 缶ビールのフタ
トイレのボタンの点字案内の写真。

弱視の北原さんによると、エレベーターとトイレのボタンは押し間違えることもあるそうです。

トイレやエレベーターでは、ボタンの数が多くて混乱しがちです。非常呼び出しボタンを押してしまうこともあります。

押し間違えることはあるものの、点字表記に肯定的な北原さん。特に、スキンケア商品などで知られるフランス発祥のブランド、ロクシタンの取り組みは有難いと感じています。

ロクシタンの商品には必ず点字での表記があります。また、社員さん向けに視覚障害者への対応を学ぶセミナーも開催しているそうです。そういった取り組みはありがたいです。

参考:ロクシタンの点字に対する取り組み | ロクシタン(外部リンク)

点字ブロックやシャンプーボトルの突起部分、紙幣の凹凸なども点字に似ていますが、厳密には点字ではありません。これらは、視覚障害者への配慮やユニバーサルデザインの一種として、識別のために使用されています。

参考:
製品のバリアフリー|視覚障がい者の皆様へ|お問い合わせ | ライオン株式会社(外部リンク)
シャンプーのきざみに込められた思い | 花王(外部リンク)
牛乳パックの切欠き | 一般社団法人Jミルク Japan Dairy Association (J-milk)(外部リンク)

凹凸で目印がついているシャンプーボトル。
触ってわかる目印があることで、どんな人でもトリートメントとの区別がしやすくなります。
牛乳パックの明け口にある切り欠きの写真。
牛乳の紙パックにはほかの飲料と区別するための「切り欠き」があります。

最後に

点字は視覚障害者が文字を読んだり書いたりするための文字です。今の点字は6つの点で構成されている6点式で、1825年に生まれました。

その後、日本語への対応などを経て、日常生活のあらゆる場面で使用されるようになりました。今では100カ国以上で使用され、視覚障害者の生活に役立っています。

Spotliteでは、視覚障害者の外出時にガイドヘルパーを派遣する障害福祉サービス「同行援護」の事業所を運営しております。利用者、ヘルパーともに、若年層中心の活気ある事業所です。余暇活動を中心に、映画鑑賞やショッピング、スポーツ観戦など、幅広いご依頼に対応しています。お気軽にお問い合わせください。

LINEアカウントはこちら(外部リンク)

SpotliteのLINEアカウントにアクセスするQRコード

※ 当事務所は、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、および香川県に対応しています。

この記事を書いたライター

Spotlite編集部

Spotlite編集部は、編集長で歩行訓練士の高橋を中心に、視覚障害当事者、同行援護従業者、障害福祉やマイノリティの分野に精通しているライター・編集者などが協力して運営しています。

他のおすすめ記事

この記事を書いたライター

この記事を書いたライター

Spotlite編集部

Spotlite編集部は、編集長で歩行訓練士の高橋を中心に、視覚障害当事者、同行援護従業者、障害福祉やマイノリティの分野に精通しているライター・編集者などが協力して運営しています。

他のおすすめ記事