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生活

視覚障害者と一緒にグループで楽しめるレクリエーションは何がある?市販のボードゲームや身近なものでできるゲームをご紹介!

視覚障害者の女性と晴眼者の女性二人が、公園のベンチに座って楽しそうに笑いながら話している。

視覚障害者も晴眼者も一緒に楽しめるレクリエーションにはどのようなものがあるのでしょうか。この記事では、視覚障害者と一緒にグループで楽しむことのできるレクリエーションをいくつかご紹介します。

すぐにできる簡単なゲームから、道具が必要なゲームまでいくつかご紹介しますので、ちょっとしたホームパーティやイベントでの参加型ゲームの参考になれば嬉しいです。

視覚障害者も楽しめる!ボードゲーム・カードゲーム

視覚障害者も一緒に楽しめる、市販のボードゲームやカードゲームがあります。複数人で行うと場が盛り上がるため、イベントやサークル活動などでの利用するのもおすすめです。

聞いて、並べて、そろえる!【アラビアの壺】

アラビアの壺は、目が見えなくても遊べるゲームです。

9つの壺が入っていて、それぞれ振ると音がします。音は3種類で、異なる音の壺が3つずつあります。

最初に縦横3列に壺を並べた後、ルールに沿って各プレイヤーが順番に壺の位置を入れ替えたり音を確認したりしながら進めます。ビンゴの要領でタテ・ヨコ・ナナメのどれか1列に同じ音の壺を揃えると勝ちになります。

ルールを音で説明するCD、弱視の方が読みやすいように配慮された説明書もあり、みんなで遊べるゲームです。上級者用に音の鳴らない壺をひとつ加えて遊ぶこともできます。

参考:アラビアの壺ルール説明動画 | ギフト・テン・インダストリ(外部リンク)

参考:アラビアの壺(Arabian Pots)|ギフト・テン・インダストリ株式会社(外部リンク)

手探りでそろえる!【フォーセンシズ】

「フォーセンシズ」は、見えない状態で手探りによってプレイするパズルゲームです。

プレイヤーは、アイマスクを装着した状態で、ボードの形を手探りで把握し、1つずつコマを置いていきます。ボードには縦4個、横4個の全16個のくぼみがあります。そこに、同じ種類のコマを縦・横・ナナメのどれかで揃えたら完成です。コマは穴が空いているものや、高さが異なるものなどがあり、コマの違いも手探りで把握します。

フォーセンシズをプレイ中の様子。丸い穴の開いた盤面に木製のピースをはめ込んでいる。
引用:フォーセンシズ | すごろくや(外部リンク)

音で楽しむカードゲーム。【おばけはおまえだ】

「おばけはおまえだ」は、音を利用したカードゲームです。

ヘッドホンから流れる音を聞いて、音に当てはまるアイテムのカードを選び、その音に関連する話をプレイヤーが行います。プレイヤーの中で、音が聞こえなかった人(おばけ役)を当てていくゲームです。

「おばけはおまえだ」のカードと、アプリの画面が写ったスマートフォン。
画像引用元:おばけはおまえだ(You are the Ghost!)|ギフト・テン・インダストリ株式会社(外部リンク)

めくらない神経衰弱!【大テンジ会】

「大テンジ会」は、点字を使った神経衰弱です。通常の神経衰弱はトランプなどをめくりながらプレイしますが、大テンジ会はめくりません。

プレイヤーはカードに施された点字を触って、カードを読み取ります。カードの上からは風呂敷がかけられ、風呂敷の下から手を入れてカードを探します。カードは13種類が各2枚、全部で26枚です。1組でも多くカードを揃えることができた人が勝ちです。

大テンジ会のプレイで頼りになるのは、指先の触覚のみ。2〜8人でプレイできます。

ゲームで盛り上がるのはもちろんですが、点字に触れたり興味を持ったりするきっかけにもなります。

商品ページ:大テンジ会(Dai Tenji Kai)|ボードゲーム情報(外部リンク)

みんなで重さをそろえよう!【グラマ】

2023年11月現在、市販はされていませんが、「グラマ」は、学生団体Blined Project (ビーラインドプロジェクト)が制作したゲームです。グループで話し合い、袋の中の重さを揃えて、天秤のバランスが取れるようにしていきます。

参考:“見ても見なくても見えなくても楽しめる”。大学生が作ったユニバーサルボードゲーム「グラマ」の体験会を開催しました | Spotlite(内部リンク)

グラマをプレイ中の様子。木製の天秤のようなものに、布の巾着がのせてある。

既存のモノポリーなどのボートゲームに点字をつけて楽しむ人もいます。日本点字図書館のわくわく用具ショップでは、点字のついたトランプやUNOのカードゲームを購入することもできます。

参考:おもちゃ・ゲーム|日本点字図書館販売サイト わくわく用具ショップ(外部リンク)

身の回りのものでできる!視覚障害者と一緒に楽しめるレクリエーション

ここでは、準備に時間がかからず、特定のゲームを購入しなくてもできるレクリエーションを紹介します。

視覚障害者がいる職場でのイベントや、学生のサークル活動のレクリエーションの参考にしてみてください。

体内ストップウォッチ対決!【時間当てゲーム】

ファシリテーターが「30秒」や「40秒」などお題となる時間を決めて、自身で数える秒数とストップウォッチで測定する秒数が一致するかを競うゲームです。

「スタート」の声をかけると同時に、ファシリテーターがストップウォッチをスタートし、指定された時間が経過したと思った時点で「ストップ」の合図をします。

指定された時間に一番近い人が勝ちです。

複数のプレイヤーそれぞれにストップウォッチ担当が1人ついて、全員目隠しをして「ストップ」の合図は手をあげるようにすると、チーム対抗戦も可能です。

ストップウォッチの機能は、スマートフォンにもついているため、手軽に楽しめます。

なぞって当てよう!【文字当てゲーム】

2人1組で行う、触覚を利用したゲームです。ペンや指先などで相手の手のひらをなぞり、何を書いたのか当てるゲームです。

人によっては触れられる箇所が手のひらだと嫌な場合がありますので、手の甲、肩など臨機応変に対応するようにしましょう。

生まれつき視覚障害の人など、墨文字を習っていない視覚障害者もいますので、参加者に事前に確認しましょう。

コップの中身はなんだろな?【匂い当てゲーム】

嗅覚を使ったゲームです。

紙コップなどにオレンジジュース、かき氷のシロップ、チョコレートなどを入れ、何の匂いか当てていくゲームです。紙コップや匂いのするものの準備が必要です。晴眼者や弱視の人は目隠しをするといいでしょう。

白い机の上に、白い紙コップが乗っている写真。
(写真素材:Unsplash)

どっちが高級?【聴き比べ・味比べゲーム】

事前の用意が必要ですが、匂い当てゲームを応用して、テレビ番組の「格付け」をアレンジしたゲームもおすすめです。

目隠しをした状態で、「味比べ」や「聴き比べ」をして、同じジャンルのどちらが高額品かを当てるゲームです。視覚以外で判定する内容なら視覚障害者も一緒に楽しめます。

例えば次のようなやり方が可能です。

  • 味比べ
    お酒や飲み物、ケーキなど、同じジャンルで高級なものとお手頃価格のものを用意して味比べをする
  • 聴き比べ
    同じクラシック曲で、安いCDと有名オーケストラの音源を聴き比べる。
    動画サイトを利用して、物まね芸人の歌と本人の歌を聞き分ける。

手足を動かせ!【万歩計ゲーム】

歩数計を体に着けて、30秒など時間を決め、その場で足踏みしたりジャンプをして、歩数計の数が多いほど得点になります。

歩数計がなければ、スマートフォンの歩数計を使ってもいいでしょう。ただし、スマートフォンを使用する場合リセット機能がついていない場合もあるので、開始前と終了後の数字のメモをして計算する必要があります。

その場にいる人全員がアイマスクをして、見えない状態で背の順に並ぶゲームを視覚障害者も一緒に、グループでやったことがあります。
ほかにも、スマートフォンを使ったイントロゲームや、言葉だけで楽しめるなぞなぞなど、身近なもので工夫すると一緒に楽しめるレクリエーションはいろいろありそうです。

白杖を持った人と晴眼者二人が談笑しながら歩いている写真。

視覚障害者とレクリエーションを楽しむポイント

ここでは視覚障害者とレクリエーションを楽しむポイントを解説します。

聴覚・嗅覚・触覚で楽しむ

この記事で紹介してきたレクリエーションのように、視覚以外の要素で楽しめるゲームは一緒に楽しむことができます。

既存のボードゲームやカードゲームに、点字や触ってわかる目印をつければ一緒に楽しむことができるものもあります。

具体的な言葉で説明する

視覚障害者は視覚での情報認識が難しいため、あれ、それなどの指示語を使わず、主語や述語、名詞を省略せずに伝えるようにしましょう。

「次は○○さんの番です」など、誰が何をするのか、名前を呼んで具体的に言葉で伝えることも大切です。

また、位置を伝える時にはクロックポジションで説明することも重要です。

参考:クロックポジションとは?視覚障害者へ位置や方向を伝える方法 | Spotlite(内部リンク)

最後に

視覚障害者とレクリエーションを楽しむためには、一緒に楽しむ気持ちが一番大切です。また、見える人も見えない人もお互いを尊重し合い、コミュニケーションを取ることが重要です。言葉で伝えあったり、どんな工夫ができるか考えあったりしながら、楽しい時間を過ごせる工夫ができるといいですね。

Spotliteでは、視覚障害者の外出時にガイドヘルパーを派遣する障害福祉サービス「同行援護」の事業所を運営しております。利用者、ヘルパーともに、若年層中心の活気ある事業所です。余暇活動を中心に、映画鑑賞やショッピング、スポーツ観戦など、幅広いご依頼に対応しています。お気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いたライター

Spotlite編集部

Spotlite編集部は、編集長で歩行訓練士の高橋を中心に、視覚障害当事者、同行援護従業者、障害福祉やマイノリティの分野に精通しているライター・編集者などが協力して運営しています。

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