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クロックポジションとは?視覚障害者へ位置や方向を伝える方法

クロックポジションに置かれた洋食メニューの写真。

視覚障害者に物などの位置を説明をする際によく使われるクロックポジション。位置や方向を時計の短針の向きで伝える方法ですが、具体的にどのような考え方なのでしょうか。

この記事ではクロックポジションの具体的な内容や、クロックポジションを活用した視覚障害者への伝え方などを紹介します。

クロックポジションとは

クロックポジションとは、もともとは航空機や船舶を操縦する場面で使われていた方角を表す表現です。

視覚障害者をサポートする場面では、位置や方向をわかりやすく伝えるために使われることがあります。

例えば、食事のとき、テーブルの上にある料理や食器を時計の短針の位置に例えて伝えます。手前が6時、奥が12時、右が3時、左が9時となり、「9時の方向にスープがあります」などと伝えます。

文字盤に数字が書かれた時計の写真。
(写真素材:Unsplash)

クロックポジションの使い方・伝え方

ここでは具体的なクロックポジションの主な使い方と伝え方について解説します。

食事

食事を介助するときのクロックポジションの使い方は、「6時に箸」「7時にご飯」「12時に魚」というように時刻で時計の短針の位置を示し、そこにあるものを説明するようにします。

「6時の位置にごはんがあって、12時の位置にサラダがあります。9時の位置にあるスープは熱いのでやけどに注意してください」というように伝えます。

注意点として、以下の2点があります。

  • やけどを防ぐために、熱いものは手に触れる前に伝える
  • 置いてある物の位置を変えない。コップなどの位置を変える場合は、一声かける
クロックポジションに置かれた洋食メニューの写真。
クロックポジションの例。ハンバーグを中心に、12時の方向にサラダ、3時の方向にウーロン茶、6時の方向にごはん、9時の方向にスープが置いてある

歩行時

歩行時は、視覚障害者を中心に12時の方向が正面、6時の方向が真後ろになります。

「2時の方向に車が止まっていて、7時の方向から歩行者グループがきています」と、クロックポジションを使って周囲の状況を具体的に伝えることができます。

視覚障害者の歩行時のサポートは、誘導する人も同じ方向を見て、白杖を持っていない方の手で肘や肩につかまってもらって歩きます。クロックポジションは進行方向にある障害物を伝えたり、進行方向を伝えるときに活用できます。

詳しい誘導方法については、以下の記事も参考にしてください。

参考:視覚障害者の誘導方法はどうすればいい?場面別の対応も解説 | Spotlite(内部リンク)

視覚障害者がクロックポジションに慣れていない場合

クロックポジションに慣れていない視覚障害者をサポートする場合は、どのようにしたらいいのでしょうか。

クロックポジション以外の具体的な表現で状況を説明する

サポートをする視覚障害者がクロックポジションに慣れていない場合は、具体的な方角を言葉で説明しながら、コミュニケーションを取るようにしましょう。「右斜め前10mの位置に」「真左に」など方向や距離感を具体的に説明することが重要です。

実際に触れてもらう

了解を取ったうえで手を取り、実際に対象のものに触れてもらいます。
例えば、手を取って椅子の座面に触れてもらったり、食事の皿の位置を手で確認してもらうなどです。温度が高いものや鋭利なものなどの場合は、注意しながら言葉で補いながら触れてもらうとよいでしょう。

白杖の人に手を添えて、ベンチの位置を確認しているガイドヘルパー。

一緒に腕を動かす

腕を取って伝えたい方角を一緒に指し示すなどの動きで伝えることもできます。

最後に

視覚障害者の食事や移動では、物の位置を時計の針の位置に例えて説明するケースが多いです。クロックポジションで説明すると、視覚障害者もものの場所の把握をしやすくなります。クロックポジションを知らない視覚障害者もいるので、その際は別の方法で具体的に伝えるようにしましょう。

Spotliteでは、視覚障害者の外出時にガイドヘルパーを派遣する障害福祉サービス「同行援護」の事業所を運営しております。利用者、ヘルパーともに、若年層中心の活気ある事業所です。余暇活動を中心に、映画鑑賞やショッピング、スポーツ観戦など、幅広いご依頼に対応しています。お気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いたライター

Spotlite編集部

Spotlite編集部は、編集長で歩行訓練士の高橋を中心に、視覚障害当事者、同行援護従業者、障害福祉やマイノリティの分野に精通しているライター・編集者などが協力して運営しています。

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