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障がい者用Suicaと障がい者用PASMOの割引率やエリア・購入場所を解説

障害者用スイカと介助者用スイカの写真。

「障がい者用Suica」や「障がい者用PASMO」は2023年3月18日からスタートしたサービスです。これらを利用すれば、バスや電車の運賃が割引されます。

「障がい者用Suica」と「障がい者用PASMO」の特徴を、以下の表にまとめました。

障がい者用Suica障がい者用PASMO
・身体障害者手帳または療育手帳を持っている方
・上記障害者の介護者(1名)
利用対象者・身体障害者手帳または療育手帳を持っている方
・上記障害者の介護者(1名)
50%割引率50%
・首都圏Suica/PASMOエリア
・仙台Suicaエリア
・新潟Suicaエリア
・青森、盛岡、秋田Suicaエリア
利用可能エリア・PASMO、Suicaエリア

この記事では、「障がい者用Suica」と「障がい者用PASMO」の割引率や購入できる場所などを紹介します。この記事を読めば、申し込み方法や利用方法が理解できるでしょう。ぜひ参考にしてください。

障がい者用Suicaとは

「障がい者用Suica」は、第1種身体障害者や第1種知的障害者が使うことのできるSuicaです。利用可能エリア内の鉄道やバス事業者に乗車する場合、障害者割引が適用されます。

「障がい者用Suica」の特徴を以下の表にまとめました。

サービス開始日2023年3月18日
利用対象者・第1種身体障害者または第1種知的障害者
・上記障害者の介護者(1名)
※精神障害者は対象外、子ども用はなし
割引率50%
利用可能エリア・首都圏Suica/PASMOエリア
・仙台Suicaエリア
・新潟Suicaエリア
・青森、盛岡、秋田Suicaエリア

利用対象者は、第1種身体障害者または第1種知的障害者の大人と、障害者の介護者(1名)です。第2種身体障害者や第2種知的障害者、精神障害者は対象外です。子供用の「障がい者用Suica」はありません。

参考:障がい者用Suicaのご案内 | JR東日本(外部リンク)

障がい者用Suicaの購入場所

「障がい者用Suica」は、以下の場所で購入できます。

  • Suica:Suicaエリア内のJR東日本の駅のみどりの窓口および話せる指定席券売機(オペレーターによる対応)
  • りんかいSuica:りんかい線の定期券発売窓口

有効期限の更新は改札窓口でも行うことができます。

障がい者用Suicaの購入方法と持参するもの

「障がい者Suica」を購入する場合は、以下のものを持参しましょう。

  • 身体障害者手帳または療育手帳
  • 「障がい者用Suica」申込書の提出(新規購入および有効期間の更新が必要な場合)

『「障がい者用Suica」申込書』は、インターネットからダウンロードできます。

参考PDF:障がい者用Suica申込書 | JR東日本(外部リンク)

「障がい者用Suica」と「介護者Suica」は、同時に購入する必要があります。それぞれのSuicaを別々で購入することはできませんので、注意しましょう。また、障害者1名につきSuicaかPASMOのどちらかのみ持つことができます。1人が複数枚持つことはできません。

障がい者用Suicaの有効期間

「障がい者用Suica」の有効期限は、購入日から1年後の同月末日までです。

更新は購入場所のほか、改札窓口でも対応してもらえます。更新する際にも身体障害者手帳や療育手帳が必要です。

定期の購入やカードの再発行時などにも、有効期限は更新されます。

有効期限などが書かれている案内用紙(レファレンスペーパー)は、みどりの窓口か改札窓口で受け取ることができます。

障がい者用Suicaの利用条件

「障がい者用Suica」や「介護者Suica」を自動改札機やバス運賃機で利用した場合に、割引運賃が適用されて自動精算されます。

「障がい者用Suica」を利用する際は、身体障害者手帳または療育手帳を携帯してください。

介護者用スイカの写真

「障がい者用Suica」と「介護者Suica」を同時に利用する必要があります。「障がい者用Suica」と「介護者Suica」を別々または単独で利用することはできないので、注意しましょう。

参考:単独利用については、この記事内の「障がい者用Suicaと障がい者用PASMOの違いは?」に記載があります。

ただし片道101キロ以上の区間を利用される場合のみ、降車時に改札窓口に申し出ることで、単独で利用できます。

他の鉄道会社との乗継割引を利用する場合は、各会社・路線ごとに障害者割引が適用される運賃を算出し、合計の金額から乗継割引が適用されます。

障がい者用Suicaの利用可能エリア

白杖を持った人がバス停でバスを待っている写真。

「障がい者用Suica」は以下のエリア内の鉄道やバス事業者で利用できます。

  • 首都圏Suica/PASMOエリア
  • 仙台Suicaエリア(odecaエリアとicscaエリアでは使えない)ただし2023年7月以降、odecaエリアでサービス開始予定です。
  • 新潟Suicaエリア(りゅーとエリアでは使えない)
  • 青森・盛岡・秋田Suicaエリア(2023年5月27日サービス開始)

上記エリアに加え、地域連携ICカードを導入している各事業者のバスでも利用できます。

SuicaまたはPASMO以外の障害者用ICカードは、Suica・PASMOエリア内では使用できません。

また、SuicaまたはPASMOの障害者用 IC カードを、Suica・PASMO利用可能エリア外で使用することはできません。

障がい者用PASMOとは

白杖の人が駅の改札を通っている写真

「障がい者用PASMO」とは、障害者とその介助者が利用できるPASMOです。PASMOエリア内の鉄道やバスで利用できます。

「障がい者用PASMO」の特徴を以下の行にまとめました

サービス開始日2023年3月18日
利用対象者・第1種身体障害者または第1種知的障害者
・上記障害者の介護者(1名)
※精神障害者は対象外、子供用はなし
割引率50%
利用可能エリア・PASMO/Suicaエリア

利用対象者は、第1種身体障害者または第1種知的障害者の大人と、障害者の介護者(1名)です。第2種身体障害者や第2種知的障害者、精神障害者は対象外です。子供用の「障がい者用PASMO」はありません。

参考:障がい者用PASMOのご購入 | PASMO(外部リンク)
参考PDF:障がい者割引が適用されるお客さま向けの新たな IC カードのサービスの概要について | 関東ICカード相互利用協議会 (外部リンク)
参考:障がい者用PASMO – 運賃・乗車券・定期券 | 東京都交通局(外部リンク)

障がい者用PASMOの購入場所

「障がい者用PASMO」と「介護者PASMO」は以下の場所で購入できます。

  • PASMO取扱事業者の窓口

「障がい者用PASMO」と「介護者PASMO」は2枚1組として同時に販売され、それぞれに500円のデポジットがかかります。

PASMO取扱業者には、伊豆箱根鉄道や江ノ島電鉄、京王電鉄、つくばエクスプレスなどさまざまな業者があります。

詳しくは以下のページでご確認ください。

参考:PASMO鉄道事業者 | PASMO(外部リンク)

障がい者用PASMOの購入方法と持参するもの

「障がい者用PASMO」を購入する場合は、以下のものを持参する必要があります。

  • 身体障害者手帳または療育手帳(マイナポータルとの連携を完了した「ミライロID」含む)

身体障害者手帳または療育手帳は、「旅客鉄道株式会社旅客運賃減額」欄に第1種と記載されている手帳に限られています。

PASMO取扱事業者の駅にて『「障がい者用PASMO」購入申込書』に必要事項を記入して購入します。

障害者1人につき、「障がい者用PASMO」もしくは「障がい者用Suica」のどちらか1枚を持つことができます。すでに持っている場合は、新たに「障がい者用PASMO」の購入はできません。

新規購入時は、デポジットとして500円を支払います。デポジットは運賃の支払いや電子マネーとしては使用できません。PASMOを返却する際に、500円が戻ってきます。

障がい者用PASMOの有効期間

「障がい者用PASMO」の有効期限は、購入日から1年後の同月末日までです。

有効期限の更新を行うことで、引き続き「障がい者用PASMO」が利用できます。有効期限がすぎると利用できなくなります。そのため有効期限内に更新手続きを行いましょう。

有効期限の更新手続き方法は、各PASMO取扱鉄道事業者に確認してください。更新手続きを行う際は、「旅客鉄道株式会社旅客運賃減額」欄に第1種と記載されている手帳(身体障害者手帳・療育手帳)を持参しましょう。

障がい者用PASMOの利用条件

「障がい者用PASMO」と「介護者PASMO」を持っている人が、同時かつ同一工程で乗車する際に、障害者割引が適用されます。

基本的には障害者と介護者が一緒に利用することが割引条件となりますが、エリアによっては「障がい者用PASMO」の単独利用が認められている場合もあります。

例えば東京都の場合、都営バス、東京さくらトラム(都電荒川線)、日暮里・舎人ライナーなら割引適用、都営地下鉄線は療育手帳(愛の手帳)があれば障害者割引が受けられます。

参考:障害者用PASMO | 東京都交通局(外部リンク)

各市町村により異なる場合があるので、利用前に確認してください。また、利用時には障害者手帳または療育手帳を持ち歩きましょう。

障がい者用PASMOの利用可能エリア

「障がい者用PASMO」や「介護者PASMO」は、PASMO・Suicaエリア内でのみ利用できます。

全国相互利用サービスの対象カードではないので、注意してください。

利用可能なエリアの詳細は、各鉄道会社やバス事業者に確認しましょう。

よくある質問:障がい者用Suicaと障がい者用PASMO

視覚障碍者が改札窓口にパスケースを提示している写真。

最後に、「障がい者用Suica」と「障がい者用PASMO」に関するよくある質問をまとめました。

モバイルSuicaとして使えますか?

「障がい者用Suica」を、Apple PayのSuicaやモバイルSuicaとしては利用することはできません。

参考PDF:障がい者割引が適用されるお客さま向けの新たな IC カードのサービスの概要について | 関東ICカード相互利用協議会(外部リンク)

モバイルPASMOとして使えますか?

「障がい者用PASMO」も、Apple PayのPASMOやモバイルPASMOとしては利用することはできません。

参考PDF:障がい者割引が適用されるお客さま向けの新たな IC カードのサービスの概要について | 関東ICカード相互利用協議会(外部リンク)

障がい者用Suicaを紛失したり、故障したりしたらどうすればいいですか?

「障がい者用Suica」を紛失した場合は、再発行することができます。

紛失が判明したら、Suicaの紛失再発行を行っている駅で再発行申込手続きを行います。その際、「障がい者用Suica」1枚につき、紛失再発行手数料が520円かかります。また再度500円のデポジットが必要となります。また、再発行には身分証明証や障害者手帳が必要となります。

破損等による障害再発行の場合は、Suicaの破損再発行を行っている駅で再発行申込手続きを行います。利用者に重大な過失が認められる場合を除き、再発行してもらえます。

参考:東日本旅客鉄道株式会社障がい者用ICカード乗車券取扱規約 | JR東日本(外部リンク)

「障がい者用PASMO」を紛失したり、故障したりしたらどうすればいいですか?

「障がい者用Suica」を紛失した場合は、再発行が可能です。

PASMO・Suicaエリアの駅やバス窓口などで申込書を記入し、再発行手続きを行います。再発行には500円のデポジットと520円の再発行手数料、合計1,020円が必要です。また、再発行には身分証明証や障害者手帳が必要となります。

「障がい者用PASMO」が故障により使用できなくなった場合も、PASMO・Suicaエリアの駅やバス窓口などで申請書の記入が必要です。故障による再発行を行う場合は、使えなくなったPASOMOと障害者手帳を持っていきましょう。

参考:障がい者用PASMOのご購入 | PASMO(外部リンク)

障がい者用Suicaで新幹線に乗れますか?

「障がい者用Suica」でも新幹線に乗れます。ただし使用するサービスによっては利用できない場合もあります。

「障がい者用Suica」を利用した新幹線サービスについて、以下の表にまとめました。

障がい者用
Suica
介護者
Suica
新幹線停車駅が2駅以上含まれる「Suica定期券」での新幹線の利用
新幹線eチケット
※障害者割引は適用されません
タッチでGo!新幹線××

参考:障がい者用Suicaのご案内 | JR東日本(外部リンク)

新幹線停車駅が2駅以上含まれる「Suica定期券」での新幹線の利用では、新幹線の特急料金は割引されません。また「新幹線eチケット」でも障害者割引は適用外です。

「タッチでGo!新幹線」は障害者割引を適用した切符を購入した方が安く利用できる場合が多いため、「障がい者用Suica」では利用できません。

障がい者用PASMOで新幹線は乗れますか?

「障がい者用PASMO」でも新幹線は乗れます。ただし利用エリアによっては使用できない場合もあります。

「障がい者用PASMO」が使用できるかは、事前に新幹線窓口で確認した方が良いでしょう。

また、新幹線では窓口で乗車券を購入する場合に障害者割引が適用されます。その際は障害者手帳が必要になります。

参考:身体障害者旅客運賃割引規則 | JR東日本(外部リンク)

今までのSuicaでも障害者割引は受けられるの?

障害者割引の適用条件を満たしている場合、通常のSuicaで自動改札機に入場し、出る時に改札窓口で申し出ることで障害者割引を受けることができます。

その際は、障害者手帳の提示が必要になります。自動改札機で出てしまうと、障害者割引が適用されませんので注意してください。

参考:Suicaの種類 | JR東日本(外部リンク)

今までのPASMOでも障害者割引は受けられるの?

障害者割引の適用条件を満たしている場合、通常のPASMOで自動改札機に入場し、出る時に改札窓口で申し出ることで障害者割引を受けることができます。

その際は、障害者手帳の提示が必要になります。自動改札機で出てしまうと、障害者割引が適用されませんので注意してください。

また、利用する鉄道事業者によって障害者割引の条件が異なる場合があります。利用する際は事前に確認しましょう。

障がい者用Suicaと障がい者用PASMOの違いは?

「障がい者用Suica」と「障がい者用PASMO」の最も大きな違いは発行している鉄道事業者です。しかし、サービス開始日や割引率、使用可能エリアはほとんど一緒だと言えるでしょう。

ただし障害本人の単独利用については、「障がい者用Suica」は必ず介護者と一緒に使う必要があるのに対し、「障がい者用PASMO」は条件を満たせば障害者単独でも割引を利用できます。

最後に

「障がい者用Suica」や「障がい者用PASMO」は、第1種身体障害者や第1種知的障害者とその介護者が対象の、障害者割引を利用できるICカードです。申込を希望する場合は、障害者手帳もしくは養育手帳を持参の上、各取扱窓口で手続きを行いましょう。

この記事が「障がい者用Suica」や「障がい者用PASMO」を利用される方や検討している方の役に立ったら嬉しいです。

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この記事を書いたライター

Spotlite編集部

Spotlite編集部は、編集長で歩行訓練士の高橋を中心に、視覚障害当事者、同行援護従業者、障害福祉やマイノリティの分野に精通しているライター・編集者などが協力して運営しています。

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