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視覚障害者が生活で困ることは?事例と解決策を解説

白杖の人とガイドヘルパーが歩いているそばを、自転車や人が追い抜いている写真。

視覚障害者が生活で困ることはさまざまです。実際に視覚障害者から、以下のような声をよく聞きます。
※以下の項目それぞれをクリックすると、記事内の該当箇所に飛ぶことができます。

ここに挙げた内容はあくまで一例で、個人差があります。視覚障害者の多くは、具体的にどのように困難を感じているのでしょうか。周囲の人たちのサポート方法も含めてご紹介します。

参考図書:『同行援護ハンドブック―視覚障害者の外出を安全に支援するために 第3版』

日常的に困ること

視覚障害者は慣れていない場所で行動するとき、周囲の状況の把握が難しく、さまざまな困難を感じています。

外出を不安に感じる

まず、視覚障害者の日常の困りごととして、慣れていない場所に向かうときの外出に不安を感じることが挙げられます。点字ブロックに沿って歩くことで、進行方向を把握することはできますが、点字ブロックの上に自転車などが置かれていることもあります。また点字ブロックは全ての道路に敷設されているわけではありません。道路を横断する際、音響付きの信号機がない場所や人通りの少ない道路では、横断歩道を渡るかどうかの判断に迷うことも少なくありません。また、目的地付近に到着しても、お店の入り口がわからないこともあります。

安全に外出を行うための方法としては、盲導犬や同行援護の利用が挙げられます。

自分に話しかけられているか判断できない

視覚障害者は、周囲の状況を視覚で判断しにくいため、「こんにちは」「すみません」と声をかけられても、誰が誰に呼びかけているか判断できず、返事ができないことがあります。そのため、視覚障害者に話しかけるときには、「〇〇さん、こんにちは。△△です」と相手の名前を呼び、自分の名前を名乗るようにしましょう。

無言でそばを離れられると困る

視覚障害者と一緒に出かけたり、働いたりしているとき、そばにいる人が何も言わずに離れたり、席を外したりすると、視覚障害者はそのことを認識できません。人が離れたあとに、その人がいないことに気づかずに話しかけ、返事をもらえず、不安と焦りを感じることもあります。視覚障害者のそばを離れるときは、必ず一声かけるようにして、戻ってきてからも声をかけることが必要です。

文字を読んだり書いたりするのが難しい

公共施設や医療機関では、文章の読み書きが必要とされる場面は少なくありません。そんなとき、視覚障害者は、読み書きが難しかったり、時間がかかったりすることで困難を感じています。

対策としては、一緒に行動している家族や友人、同僚もしくは同行援護の従業者が、代わりに読み上げたり、代筆したりすることです。また、厚紙を使った枠やサインガイドがあれば、自身で短い文章を書けることがあります。そのときは周囲への説明や書く場所や時間を確保するなどのサポートを行うようにしましょう。

参考:視覚障害者の生活の助けになる便利な道具。購入やレンタルする方法も紹介 | Spotlite(内部リンク)

バス停の時刻表を見る弱視の女性

慣れていない建物のトイレは使い方がわからない

トイレは、カギやトイレットペーパーの位置、ボタン、便座などさまざまな種類があります。そのため、視覚障害者が慣れていない場所でトイレを利用するときは、多数の確認が必要となります。

これらの解決策としては、一緒に行動している人や同行援護従業者、店員がトイレの様子を説明し、案内することです。まず、多目的トイレか一般トイレのどちらを利用したいか聞き、トイレの個室内に案内します。そして、内部の配置や使い方を説明することが重要です、なお、同行している方が異性の場合、同性の人に代わってもらえる場合は、同性の人が案内することが望ましいです。

誘導を受けるときに困ること

視覚障害者が誘導を受けるときに困ることはどのようなことがあるのでしょうか。

「あっち」「こっち」などの指示語だと方向がわからない

視覚障害者は、視覚による方向の認識が難しいです。そのため、ジェスチャーと「あっち」「こっち」などの指示語を組み合わせて方向を知らせるのではなく、具体的に「右手の方向」「10時の方向」と言葉で説明するようにしましょう。

手を引っ張ったり、背中を押されたりする

視覚障害者は、急に手や白杖を引っ張られたり、背中を押されたりして誘導されると何が起こっているのか把握することが難しく、怖い思いをします。誘導するときは、声をかけてから肩やひじを掴んでもらうようにしましょう。

ガイドヘルパーの肘をつかんでいる写真。

買い物で困ること

ここでは視覚障害者が買い物で困ることを解説します。

店内で困ったとき、誰に声をかければいいかわからない

スーパーなどの大型店では、店員による案内や商品説明を受けにくく、欲しい商品やレジの場所がわからず、誰にサポートをお願いすればいいかわからなくなることがあります。

代表的な解決方法としては、同行援護のサービスを利用し、同行援護従業者と一緒に買い物をすることです。

また、店員さんが「店員の〇〇です。何かお手伝いすることはありますか?近くにいるので、いつでも声をかけてくださいね」と声をかけると、視覚障害者は安心して買い物ができます。

陳列されている商品の値段や鮮度がわからない

商品には値札やラベルが貼ってあり、その情報が詳しく書いてあります。ただ、視覚障害者は文字を目で読んで情報を理解することが難しく、弱視の視覚障害者は商品に顔を近づけないといけないため、特に生鮮食品などは行いにくい場合があります。具体的には、以下のような項目を理解するのに困難があります。

  • 消費期限
  • 賞味期限
  • 原産地
  • 添加物の有無
  • 価格

また、衣類では以下の項目の把握に困難があります。

  • 素材
  • 模様
  • デザイン
  • 価格
  • 洗濯などの取り扱い方法

これらの情報を理解するためには、同行援護従業者や家族、店員などの説明が必要になります。

スーパーマーケットで棚に並んだ生鮮食品を探す女性
(写真素材:Unsplash)

飲食店で困ること

飲食店では、視覚で情報を捉えてコミュニケーションを行う店舗が多いため、視覚障害者にはさまざまな困りごとがあります。

飲食店で人やテーブルの位置を把握しにくい

せまい店内だと、ものの場所や距離感を正確に把握することが難しく、人やテーブルにぶつかる恐れがあります。同行者や店員の誘導が必要な場合があります。

文字で書かれている食事などのメニューを把握するのが難しく、触覚で判断しにくいタッチパネル式による注文にも困難があります。

参考:タッチパネルが視覚障害者の新たな障壁に。「暗証番号が入力できず、買い物を諦めることも」 | Spotlite(内部リンク)

テーブル上の食器の配置がわからない

食器の配置がわからず、どの食事がどこに配置されているのか把握するのが難しく、熱い料理に誤って触り、やけどする恐れや汁物の料理をこぼしてしまう可能性があります。

これらの解決方法としては、視覚障害者が把握しやすいようにクロックポジションで、料理の位置を説明することができます。

参考:クロックポジションとは?視覚障害者へ位置や方向を伝える方法 | Spotlite(内部リンク)

最後に

白杖を持つ女性と、ガイドヘルパーの足元。写真中央にもみじが一枚落ちている。

視覚障害者が生活で困ることは、以下の点がよく挙げられます。

  • 外出が不安に感じる
  • 自分に話しかけられているか判断できない
  • 無言でそばを離れられる
  • 文字を読んだり書いたりするのが難しい
  • 慣れていない建物のトイレの使い方がわからない
  • 「あっち」「こっち」などの指示語だと方向がわからない
  • 手を引っ張たり、背中を押されたりする
  • 店内で困ったとき、誰に声をかければいいかわからない
  • 陳列されている商品の値段や鮮度がわからない
  • 飲食店で人やテーブルの位置を把握しにくい
  • メニューを読むのがむずかしい
  • テーブル上の食器の配置がわからない

また、これらの困りごとには、一緒にいる人の手助けで解消されるケースもあります。

Spotliteでは、視覚障害者の外出時にガイドヘルパーを派遣する障害福祉サービス「同行援護」の事業所を運営しております。利用者、ヘルパーともに、若年層中心の活気ある事業所です。余暇活動を中心に、映画鑑賞やショッピング、スポーツ観戦など、幅広いご依頼に対応しています。お気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いたライター

Spotlite編集部

Spotlite編集部は、編集長で歩行訓練士の高橋を中心に、視覚障害当事者、同行援護従業者、障害福祉やマイノリティの分野に精通しているライター・編集者などが協力して運営しています。

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