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視覚障害者が楽しめるスポーツとは?パラ競技の種類一覧や工夫の方法も紹介

公園のベンチに座る運動着姿の視覚障害者。白杖とペットボトルが隣に置き、タオルで顔を拭いているところ。

目が見えない人も楽しめるスポーツには、マラソンやトライアスロン、サッカー、ボウリングなどさまざまな種類があります。また、練習を積み重ねて、パラリンピックへの出場を目指す方やプロのアスリートとして活躍する人もいます。

この記事では、視覚障害者向けのスポーツの種類やメリット、一緒に楽しむ際の工夫やポイントを紹介します。

また、スポーツに同行援護を利用した事例も載せているので、最後まで読んでみてください。

視覚障害者が楽しめるスポーツの種類

プールで人が泳いでいる写真。
(写真素材:Unsplash)

視覚障害者が楽しめるスポーツは、たくさんあります。主なスポーツの名前と内容を、以下の表にまとめました。

スポーツ名概要
陸上競技マラソンでは、選手(視覚障害者)と伴走者が、1本の短いロープの両端を握って走ります。距離やタイム、障害物などを伴走者が選手に伝えます。短距離走ではゴールで音を鳴らし、選手はその音に向かって走ります。
水泳コーチがタッピングバーという器具を使って、選手にターンの位置やゴールを伝えます。パラリンピックでは自由形、平泳ぎ、背泳ぎ、バラフライ、個人メドレーなどの種目があります。
柔道お互いが組んでから試合が始まります。試合中に両者が離れた時は「まて」と宣言され、試合開始位置に戻ってから再開します。
ボウリング投球や助走方向を確認するため、専用のレールを使用します。また晴眼者がボールの軌道や残ピンを選手に伝えます。
サウンドテーブルテニス視覚障害者のための卓球です。球の中に粒が入っており、そのボールの音を頼りに打ち合います。
ブラインドサッカーゴールキーパー以外は、アイマスクを着用して行います。ボールは音が出るようになっています。
ゴールボール鈴の入ったボールを使用し、相手ゴールにボールを入れるスポーツです。守備時には体を横にして広げ、ゴールを阻止します。
パラクライミング感触やサイトガイドの声を参考に、クライミングウォールを登っていく競技です。

上記以外にも、ソフトボールやバレーボール、アーチェリー、スキーなどさまざまなスポーツが楽しめます。

視覚障害者がスポーツを始めるメリット

並木道をあるく運動着姿のタオルを首にかけた視覚障害者。右手には白杖を持ち、左手にはペットボトルを持っている。

視覚障害者がスポーツを始めるメリットには、次の3つが挙げられます。

  • 健康増進
  • 日常生活がより充実する
  • パラリンピックなどの国際大会に出場できる可能性

各メリットについて解説します。

健康増進

視覚障害者がスポーツを日常に取り入れることには、健康増進が期待できるメリットがあります。

視覚障害があると安全性などへの不安から、運動する機会が減ってしまう場合があります。しかし、健康維持や体力の保持には適度な運動をすることは重要です。

日常生活がより充実する

スポーツを楽しむことで、日常生活がより充実します。

練習に行ったり大会に出たりすることで、外出する機会や人とコミュニケーションを取る時間が増えます。このような行動は、視覚障害者の自立した生活につながります。

パラリンピックに出場できる可能性も

自分にあったスポーツを見つけ、練習を重ねればパラリンピックに出場できる可能性もあります。

視覚障害者のパラリンピック競技には、以下の種目があります。

【夏季パラリンピック競技】

  • 陸上競技
  • 自転車競技
  • 馬術
  • ブラインドフットボール(ブラインドサッカー)
  • ゴールボール
  • 柔道
  • ローイング(ボート)
  • 水泳
  • トライアスロン

【冬季パラリンピック競技】

  • アルペンスキー
  • バイアスロン
  • クロスカントリースキー

参考:競技紹介 | 日本パラリンピック委員会(外部リンク)

パラリンピックへの出場を目指すことで、社会と関わる機会が増えたり体力が増加したりします。そしてこれらが、人生をより充実したものにしてくれるでしょう。

ちなみに、視覚障害者のアスリート雇用を行っている企業もあるので、スポーツを始めると就職活動のきっかけになるかもしれません。

視覚障害者とスポーツを楽しむための工夫

ブラインドマラソン伴走用のロープをつかんでいる視覚障害者と晴眼者の手元。上から撮っていて靴と芝生が見える。

視覚障害者と一緒にスポーツを楽しみたいと思っている人も多いのではないでしょうか。次のポイントを意識することで、視覚障害者がよりスポーツを楽しめます。

  • 安全にスポーツを楽しむための環境を整える
  • 声かけを大切にする
  • 声援のメリハリをつける

各ポイントを解説します。

安全にスポーツを楽しむための環境を整える

視覚障害者は周囲の状況が分かりにくい場合が多いです。そのため、周辺環境を整えることが大切です。

例えば、通路や床に物が置いてあるとぶつかって怪我する危険があります。施設などを利用する際は、事前に施設内の設備や構造を説明しましょう。一緒に歩いて確認すると、より具体的に周辺環境を把握できます。

またコート内などでプレーする場合は、コートの全体像なども事前に案内します。

声かけを大切にする

声かけも、視覚障害者がスポーツを楽しむためには重要です。視覚障害者は情報を音や声から把握します。

障害の状態やスポーツ経験の有無などに応じて説明の仕方を変え、視覚障害者に伝わりやすいように声かけしましょう。

声かけでイメージしにくい場合は、実際に道具やコートに触れてもらいながら説明しましょう。
競技によっては、ガイドの役割で晴眼者が一緒にプレーすることもあります。

声援のメリハリをつける

視覚障害者のスポーツでは、音を頼りにプレーすることが多いです。そのため、視覚障害者の競技を観戦する場合、声援は適切なタイミングで行いましょう。

プレー中の声援がかえって競技の妨げになる場合があります。声援や大きな音を出してもいいタイミングがありますので、その時に、精一杯の応援で視覚障害者を応援しましょう。

同行援護はスポーツにも利用できる

スポーツをする際にも、同行援護は利用できます。

たとえば、以下のようなシーンです。

  • 日頃のトレーニングのためにジムや公園に行く
  • 国内外の試合に出場する
  • 治療のための通院や競技用品の買い物に行く

実際に、みつきの同行援護ヘルパーである野口勇太さんは、利用者さんのブラインドゴルフに同行しています。2024年の4月には、利用者さんに誘われて、ブラインドゴルフの大会に出場しました。ヘルパーは視覚障害者とバディを組んで出場します。初出場のこの大会で、初優勝したそうです。

▼以下の記事では、このヘルパーにお話を伺っています。

スポーツの際に、みつきの同行援護を利用する方法は以下のページを参考にしてみてください。実際に同行援護をスポーツに使った人の事例も紹介しています。

最後に

視覚障害者が楽しめるスポーツはたくさんあります。また、パラリンピックでは多くの視覚障害者が選手として活躍しています。

安全性の不安などから、運動する機会が減ってしまう視覚障害者もいます。そんな人は、スポーツに取り組んでみてはいかがでしょうか。スポーツを楽しむことは、健康促進や自立した生活に繋がります。

気になるスポーツがあれば、体験から始めてみると良いかもしれません。

Spotliteでは、視覚障害者の外出時にガイドヘルパーを派遣する障害福祉サービス「同行援護」の事業所を運営しております。利用者、ヘルパーともに、若年層中心の活気ある事業所です。余暇活動を中心に、映画鑑賞やショッピング、スポーツ観戦など、幅広いご依頼に対応しています。お気軽にお問い合わせください。

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※ 当事務所は、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、および香川県に対応しています。

この記事を書いたライター

Spotlite編集部

Spotlite編集部は、編集長で歩行訓練士の高橋を中心に、視覚障害当事者、同行援護従業者、障害福祉やマイノリティの分野に精通しているライター・編集者などが協力して運営しています。

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