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セブン銀行の音声ガイダンスサービスがとっても便利。きっかけは1通の手紙だった。

セブン銀行のATMの脇にスタッフ4名が笑顔で立っている画像。

セブン銀行の音声ガイダンスサービスをご存知でしょうか。

音声ガイダンスサービスとは、ATMのタッチパネルが利用できない視覚障害者などが、受話器を使用して音声案内と数字キーで操作できるサービスのことです。

セブン銀行のATMでは、ただ音声で操作できるだけではなく、視覚障害者が一人でも安心して操作できるように、セキュリティやプライバシーの保護など、様々な面での配慮があります。

開発のきっかけは、視覚障害者からの1通の手紙でした。そんな素敵なストーリーと便利な機能の数々をご紹介します。

セブン銀行音声ガイダンスサービスとは

セブン銀行では、ATM備え付けインターホンの音声案内にそって、インターホンのボタン操作で取引できる「音声ガイダンスサービス」を2007年に開始しました。
この機能は、視覚障がいのある方にご意見を伺いながら開発しました。
現在、約540社の金融機関(銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫、JAバンク、JFマリンバンク、証券会社)のお引き出し、お預入れ、残高照会に対応しています。
セブン-イレブン等にある全国25000台以上のすべてのセブン銀行ATM共通サービスとして、「いつでも、どこでも、だれでも、安心して」ご利用いただけます。

セブン銀行ATM音声ガイダンスサービスのご案内
セブン銀行のATMを正面から撮影したイメージ画像。

音声ガイダンスサービス、ここがすごい

7つの安心

  1. 全国2万5000台以上のすべてのセブン銀行ATMの共通サービス。
    セブン-イレブンはもちろん、イトーヨーカドーや、駅構内など、様々な場所に設置されています。全国どこでも同じ操作ができるので、1度覚えれば安心して使えます。

  2. 約540社の金融機関のお取引きができます。
    メガバンク以外にも、地銀やネットバンク、信用金庫など、全国各地の金融機関のお取引きができます。どのキャッシュカードでも、お取引きの流れが標準化されているので、使いやすいです。

  3. タッチパネルでの操作は不要です。

  4. 操作に不慣れな方でも一人で操作できるように、操作方法をインターホンの音声で詳細にご案内します。


    ここまでは「ATMの音声操作であれば当然だよ」と思われた方もいるのではないでしょうか。
    ここからは、私が視覚障害者にとって安心だと感じた3つの特徴です。


  5. 取引中に不都合が発生した場合は、コールセンターに自動的に接続し、オペレーターより状況について説明があります。
    近くの店員や駅員を探さなくても、一人で解決できます。

  6. プライバシーに配慮し、通常ATMのスピーカーから流れる「紙幣をお取りください」等の案内は、インターホンからのみ流れます。また、残高等がATM画面に表示されることはありません。
    家族やガイドヘルパーが一緒にいても、情報が知られることはありません。

  7. 第三者によるいたずら防止のため、「インターホンによるお取引き」を選択した時点で、テンキーやタッチパネルでの操作ができなくなります。
    周りの状況が確認できなくても、誰かに不正な操作をされることはありません。
セブン銀行のATMの受話器やテンキーの位置をアップで撮影した画像。

音声ガイダンスサービス 知って!広めて!キャンペーン

ニッポン放送「ラジオ・チャリティ・ミュージックソン」に協賛し、2019年12月1日日曜日から2020年1月15日水曜日まで、期間限定でキャンペーンを行っています。
音声ガイダンスサービスを多くの方に知ってもらうための取り組みで、今年で10回目になります。内容は以下の3つです。皆さん、ぜひご協力ください。

  1. 【まず知って!】クリック募金
    特設ページ内の「クリック募金に協力するボタン」1クリックにつき、セブン銀行が、ラジオ・チャリティ・ミュージックソンに1円を寄付します。
    ※1人が1日にクリックできる回数は1回です。


  2. 【体験して!】ATM利用件数に応じてセブン銀行より寄付
    音声ガイダンスサービスでのATM利用件数に応じて、セブン銀行が1件あたり100円をラジオ・チャリティ・ミュージックソンに寄付します。


  3. 【さらにセブン銀行口座をお持ちの方へ】インターネットバンキングを使った募金
    セブン銀行口座をお持ちのお客様がインターネットバンキングを利用して、ラジオ・チャリティ・ミュージックソンに寄付する場合、その振込手数料を無料にします。


頂いた寄付は、音声信号機の設置等に活用されます。

キャンペーン特設サイトはこちら

実際に操作してみた

まず行うことは、「受話器を取る」ことです。受話器を取れば、自動的に音声ガイダンスが流れます。

カードを入れるよりも前に、まずは、受話器を取れば大丈夫。

それでは、実際のお取引きの一例をご紹介します。

ATMを使って実際に音声操作している様子を撮影した画像。

お取引きの一例

実際にインターホンから流れる音声の一例をご紹介します。


  1. いらっしゃいませ。コールセンターへのお問合せは画面のボタン、又はインターホンの1を押してください。インターホンによるお取引きは2、インターホンによるお取引きの操作方法のご案内は3を押してください。

  2. 音声案内を開始します。操作は全てインターホンのボタンで行ってください。操作を中断される場合はアスタリスク(*)を押してください。音声は繰り返し再生されます。インターホンの耳をあてる部分の裏側にあるボタンで音量を変更できます。お取引きを開始される場合は正面にカードを入れてください。

  3. △△△(金融機関名)のお取引きを開始します。ご希望のお取引きを押してください。お引出しは1、お預入れは2、残高照会は3、操作を中断される場合は*を押してください。

  4. お引出しのお取引きです。手数料がかかる場合があります。
    よろしければシャープ(#)を押してください。お取引きを取消す場合は*を押してください。

  5. 暗証番号を押してください。番号を間違えた場合は*を押してください。*を押すと入力された文字はクリアされていますので、もう一度一文字目から入れなおしてください。*を2回連続で押すとお取引きが取消されます。

このあと、金額を入力、残高の案内…と続きます。このように手順を丁寧に説明してくれるので安心して操作できます。

受話器の内側を撮影した画像。電話と同じ数字キーが並んでいる。

ボタンは、電話のテンキーと同じ配置です。「5」には小さな突起がついています。

受話器の外側を撮影した画像。上下に音量を調整するボタンがついている。

受話器の背面には上下にボタンがついており、音量が調節できます。

私は、「10000円」を下ろそうと思って「1000円」と入力していましたが、音声確認で間違いに気づくことができました。

セブン銀行のATMでは「センエン」と数字に変換して読み上げてくれるので、金額の間違いにすぐに気付くことができました。

このような細かな配慮もありがたいですね。

新型ATM(第4世代ATM)

2019年、セブン銀行のATMは、「ATM+(プラス)」にリニューアルされました。

キャッシュレス決済への対応や顔認証など、時代のニーズに合わせた機能に加え、車椅子の方でも利用しやすいように受話器の位置を下げたり、大きく見やすいディスプレイに変更したりするなど、ユニバーサルデザインも強化されています。

他にもここでは紹介しきれないほど、様々なサービスが追加されています。ますます便利に、安全に、利用できそうです。

ATM右側のくぼみに白杖を立て掛けている画像。
荷物をかけるピンを手で引き出している画像。

インタビュー

セブン銀行の開発や広報に携わる深澤様、内田様、吉川様、稲葉様の4名にお話を伺いました。

ー音声ガイダンスサービスを開発するようになったきっかけを教えて下さい。
2000年、コンビニにATMを置くということを発表した時に、視覚障害者からのお手紙を頂きました。その手紙に、「銀行のATMでも音声操作できるものがほとんどない。コンビニという生活に近い場所でお金が下ろせるようになればとても便利なので、ぜひ視覚障害者でも使えるATMにしてほしい」という要望が書かれていたことがきっかけでした。


ーどのように開発を進めていったのでしょうか?
当時、セブン銀行の会社を立ち上げるタイミングでしたので、すぐに「できます」というお返事はできなかったのですが、ハードウェアの方を視覚障害者でも使える仕様にして、各店舗にATMを設置していきました。ある程度普及した段階でソフトウェアを実装し、2007年、全国約13000台のATMで一斉に音声ガイダンスサービスを開始しました。


ー開発を進める中で工夫されたことはありますか?
私たちが目の見える立場で開発していると、本当に使いやすいものになっているかが分からないので、モニターとして視覚障害者に何度かヒアリングを行いながら改善していきました。開発のきっかけになった手紙を頂いた方も、モニターとして参加してくれました。
皆様から「音声の読み上げるスピードが遅い」「その案内だと操作が分かりにくい」などのアドバイスを頂いて、少しずつ使いやすいものになったと思います。

開発に携わった内田様と深澤様がお話している画像。

ー実際に使われた視覚障害者の方から、どのようなお声がありましたか?
「今まで家族やヘルパーに残高を読んでもらわなければいかず、抵抗があったことが自分でできるようになってよかった」「自立して生活できるようになった」と多くの方から言われました。
また、ATMの操作でコールセンターにもつながるので、オペレーターに直接「ありがとう」とお伝えいただくこともありました。そのようなお声を聞くと、開発して良かったと思います。


ーそうですよね。サービスを開始して10年以上になりますが、現在、課題はありますか?
まずは多くの方に音声ガイダンスサービスが利用できることを知ってもらいたいです。そのために、最近は視覚障害者関連の展示会などに出展するようにしています。
また、利用して頂く方は視覚障害者に限っていません。先日、高齢者と暮らすご家族の方から「視覚障害者じゃなくても使っていいのですか?」と質問されたことがあります。画面が見えにくい高齢者や読字障害のある方など、どなたにでもご利用頂けることも知ってほしいですね。


ー最後に、セブン銀行のATMのことを初めて知った視覚障害者へメッセージがあればお願いします。

我々のコンセプトは、「最初から最後まで一人で『安心して』ご利用いただける」ということです。万が一、不都合があれば、コールセンターに自動でつながり、その先にはセブン銀行のスタッフがいますので、安心してご利用ください。まだお使いになったことが無い方は、ぜひ1度お試しいただければ嬉しいです。

セブン銀行本社にあるロゴとプロジェクターに投影されたアニメーションの画像。

最後に

内田様は、視覚障害になった友達からセブン銀行のATMを使ってくれていると話をしてくれたそうです。「身近な人の役に立っていることが分かると、やりがいを感じます」と仰っていました。

取材に伺って以降、街中のいたるところでセブン銀行のATMが目につくようになりました。想像以上に身近な場所で生活を支えてくれている存在なのかもしれません。

視覚障害者もそうでない方も便利なセブン銀行ATMを、ぜひご利用ください。

この記事を書いたライター

高橋昌希

1991年香川県生まれ。広島大学教育学部卒業後、国立障害者リハビリテーションセンター学院修了。視覚障害者のための福祉施設での勤務を経て、ガイドヘルパーの仕事を行う。教員免許(小学校・特別支援学校)を保有。歩行訓練士。Spotlite発起人。

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1991年香川県生まれ。広島大学教育学部卒業後、国立障害者リハビリテーションセンター学院修了。視覚障害者のための福祉施設での勤務を経て、ガイドヘルパーの仕事を行う。教員免許(小学校・特別支援学校)を保有。歩行訓練士。Spotlite発起人。

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