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編集部から

Spotliteを始めたもう1つの理由

高橋昌希

こんにちは。Spotlite(スポットライト)発起人の高橋昌希です。

物書きとは全く無縁の人生ですので、
駄文に始まり、多数至らない点があるかと思います。予めご容赦ください。

Spotliteを始めたきっかけは「Spotliteとは」に書きました。
簡潔にまとめると、普段、視覚障害者と話していることを多くの人にも知ってほしいと思ったからです。

最初のコラムなので、もう1つの理由をお伝えします。
どちらかと言えばこちらの方が核心かもしれません。

私は今年、28歳になります。
現在、仕事でお世話になっている方は大半が年上の方。
勉強になることばかりで、これから引き継いでいくべきこともたくさんあります。

そんな皆さんから、たまに「若いのに偉いね。」と言っていただきます。

大変ありがたいことで丁寧にお礼を言いますが、何か引っかかります。

「若いのに…?」「若い…のに?」


他の業種では同世代で中心的な存在として活躍している人も多い中、ずっと若手のままなのかな?

月日が経てば、周りの人達はどんどん少なくなるんじゃないかな?

こんな漠然とした不安が湧いてきます。


もし大卒で働いていたら今年で6年目、高卒なら10年目。

そんなに若くもありません。

しかし、前に勤めていた視覚障害者の福祉施設で20代は私だけ。
毎年求人がある訳でもなく、後輩ができる気配は当分ありませんでした。
今、当事者団体の集まりや福祉サービスの研修会に参加しても似たような状況…。
どうやら業界的に若い人が少ないようです。

その原因はさておき、
Spotliteを始めようと思ったもう1つの理由は、
30年後、社会の中心にいる視覚障害者と仲間たちのつながりを作りたいと思ったからです。

私の周りには、同年代や自分より若い視覚障害者、彼らと関わっている晴眼者が複数います。
でも、それぞれ社会の中で自立しているからこそ横のつながりが少ないのです。
彼らがお互いの存在を知ることができればいいなと感じています。

とは言え、30年後急に始めても関係は築けない。
逆に今から若者だけで集まっても、先輩方の経験を踏まえて現状を理解していなければ間違った方向に進んでしまう。
中学生のころに習った「温故知新」の意味を反芻しているところです。

なぜ30年なのか。

20年後は、まだまだ若者の部類で、社会への影響力がないかもしれない。

40年後は、自分が元気に活動できているかが怪しい。

ということで、ちょうど真ん中の30年後にしました。

30年後の2049年、私は58歳です。

今からは想像もできない社会になっていることでしょう。
自分が追いつかなくなれば、若い世代にバトンを渡せばいいと思っています。

福岡市長の高島宗一郎さんは著書の中で、「日本の社会にもっとも足りないダイバーシティは、意思決定層に『若者』がほとんどいないこと」だと述べられていました。

でも、Spotliteは若者の記事しか載せないとか、若者以外は読まなくていいということではありませんので誤解しないでください。

必要な人に必要な情報を届けるためには、幅広い視点が欠かせません。



人生100年時代と言われる今、何歳までが若者なのかも分からなくなってきました。
年齢は関係なく、前向きな気持ちがあればいつまでも若者なのかもしれません。

30年後をぼんやりイメージしながら、近くにいる人とできることからやっていきたいと思います。



それではよろしくお願いします。


この記事を書いたライター

高橋昌希

1991年香川県生まれ。広島大学教育学部卒業後、国立障害者リハビリテーションセンター学院修了。視覚障害者のための福祉施設での勤務を経て、ガイドヘルパーの仕事を行う。教員免許(小学校・特別支援学校)を保有。歩行訓練士。Spotlite発起人。

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1991年香川県生まれ。広島大学教育学部卒業後、国立障害者リハビリテーションセンター学院修了。視覚障害者のための福祉施設での勤務を経て、ガイドヘルパーの仕事を行う。教員免許(小学校・特別支援学校)を保有。歩行訓練士。Spotlite発起人。

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