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生活

視覚障害者と一緒に遊べるグッズや玩具は何がある?キッズ向けから大人も楽しめるものまで、幅広くご紹介

グラマをプレイ中の様子。木製の天秤のようなものに、布の巾着がのせてある。

近年では、視覚障害者も一緒に遊べるユニバーサルな玩具やグッズが増えています。

この記事では、視覚障害者も一緒に遊べる子ども向けの玩具や、大人も楽しめるボードゲームなどをご紹介します。

子どもから大人まで。視覚障害者も楽しめる、触ってわかる玩具や遊びグッズ

ここでは主に触覚を利用した、比較的手軽で、1人や少人数でも視覚障害者が一緒に遊べる玩具やグッズについて紹介します。

触覚記号つき【ルービックキューブ ユニバーサルデザイン】

「ルービックキューブ ユニバーサルデザイン」は、ルービックキューブの6面に、丸や四角など、異なる形の凹凸がつけられています。手触りでどの面にどの色があるのかが分かるので、触覚を頼りに遊ぶことができます。

参考:ルービックキューブ ユニバーサルデザイン|わくわく用具ショップ(外部リンク)

凹凸のある数パズル【ぴったりしきつめ かずパズル100】

数量の感覚を身に着ける子ども向けの玩具で、凹凸のあるパズルなので、視覚障害児も楽しむことができます。

100個の凸があるボードに、1〜10の「数のピース」を組み合わせて、ボードの中にぴったりしきつめるパズルです。

「数のピース」は、サイズと凸の数が異なっています。凸の数によって、7と3、6と4など違うピースを組み合わせて10のかたまりをつくる遊びもできます。
1人でパズルとして遊んだり、出題者と回答者に別れたり、対戦したり、いろいろな遊び方ができます。

参考:ぴったりしきつめ かずパズル100|わくわく用具ショップ(外部リンク)

触覚で遊ぶカードゲーム【こどもトランプ 1 to 10】

裏表がなく、1〜10とハート・サンカク・スペード・四角の4種類のマークが彫られているトランプです。触覚を頼りにカード遊びができます。

袋の中にカードを入れて、手探りで同じ数を当てるなど、普通のトランプとは違った触覚を活用した独自の遊び方もできます。

参考:こどもトランプ1to10|わくわく用具ショップ(外部リンク)

こどもトランプ 1 to 10の写真。4色のカードには1〜10とハート・サンカク・スペード・四角の4種類のマークが彫られている。
画像引用元:こどもトランプ 1 to 10 | 合同会社バンビーノ(外部リンク)

点字の付いたレゴ【LEGO® Braille Bricks】シリーズ

2023年現在、日本での販売はされていませんが、レゴブロックには、点字のアルファベットと数字が触覚でわかるLEGO® Braille Bricksシリーズがあります。今後、日本でも展開されることを期待したいですね。

画像引用元:LEGO®公式サイト(外部リンク)

視覚障害者も楽しめる大人向けのボードゲーム

ここからは視覚障害者も一緒に遊べる主に大人向けのボードゲームについて紹介します。

聞いて、並べて、そろえる!【アラビアの壺】

アラビアの壺は、目が見えなくても遊べるゲームです。

最初に縦横3列に壺を並べた後、ルールに沿って各プレイヤーが順番に壺の位置を入れ替えたり音を確認したりしながら進めます。ビンゴの要領でタテ・ヨコ・ナナメのどれか1列に同じ音の壺を揃えると勝ちになります。

ルールを音で説明するCD、弱視の方が読みやすいように配慮された説明書もあり、みんなで遊べるゲームです。上級者用に音のならない壺をひとつ加えて遊ぶこともできます。

参考:アラビアの壺(Arabian Pots)|ギフト・テン・インダストリ株式会社(外部リンク)

音で楽しむカードゲーム【おばけはおまえだ】

「おばけはおまえだ!」は、音を利用した人狼のようなカードゲームです。

スマートフォンまたはタブレットにアプリをダウンロードして遊びます。アプリを起動して、イヤフォンで一人ひとり音を聴き、各自が自分の聴いた音に近いモチーフカードを選び、理由を説明していきます。

ただ、プレイヤーの1人は実際には音が聞こえておらず、その人がおばけ役です。おばけ役は音が聴こえた振りをして、カードを選びます。

一巡した後に、プレイヤーは誰がおばけだと思うか指さして当てます。

参考:おばけはおまえだ(You are the Ghost!)|ギフト・テン・インダストリ株式会社(外部リンク)

みんなで重さをそろえよう!【グラマ】

2023年12月現在では市販されていませんが、触覚と言葉を頼りに、それぞれの重さをてんびんに乗せて、釣り合う状態を目指すゲームです。4人1グループで、お題に合わせて、重さの認識を共通化するため、表現やコミュニケーションを楽しむことができます。

参考:“見ても見なくても見えなくても楽しめる”。大学生が作ったユニバーサルボードゲーム「グラマ」の体験会を開催しました | Spotlite(内部リンク)

グラマをプレイ中の様子。木製の天秤のようなものに、布の巾着がのせてある。

視覚障害者向けの囲碁【アイゴ】

一般社団法人日本視覚障害者囲碁協会が制作普及活動をしている視覚障害者向けの囲碁が「アイゴ」です。

碁石を固定でき、触って白黒の判別ができるように開発された碁盤、通称【アイゴ】を使うことで、目が見える人たちとほぼ対等に囲碁を楽しむことができるようになりました。

参考:一般社団法人 日本視覚障害者囲碁協会(外部リンク)

一般社団法人日本視覚障害者囲碁協会の代表理事、柿島光晴さんに取材した記事は以下のリンクからごらんいただけます。

参考:
「今はZoomで囲碁を打っています」 一般社団法人日本視覚障害者囲碁協会 代表理事 柿島光晴さん(前編) | Spotlite(内部リンク)

囲碁との偶然の出会いと魅力 一般社団法人日本視覚障害者囲碁協会 代表理事 柿島光晴さん(後編)|Spotlite(内部リンク)

碁盤アイゴと碁石

視覚障害者と遊べる玩具の選び方

視覚障害者と遊べる玩具はさまざまです。ここでは、視覚障害者と遊べる玩具やグッズの選び方について紹介します。

子ども向けは【盲導犬マーク】のついている共遊玩具を選ぶ

国際的な玩具の共通マークとして、視覚障害児向けの玩具を示す盲導犬マークがあります。盲導犬マークがついている玩具は、手触りや凸凹、音などで識別できるようになっているのが特徴です。商品のパッケージについているため、このマークを目印に購入する方法があります。

聴覚障害児向けの「うさぎマーク」もあります。

障害児向け【共遊玩具】の一覧から選ぶ

大手玩具メーカーのホームページには、盲導犬マークがついている玩具の一覧が掲載されているものもあります。また、一般社団法人日本玩具協会は、共有玩具を認定し、共遊玩具カタログを発行しています。これらの一覧から玩具を選ぶのもおすすめです。

日本玩具協会の共遊玩具カタログ

共遊玩具のカタログは、関係教育機関、視覚特別支援学校(盲学校)、障害児関連施設、点字図書館、聴覚特別支援学校(ろう学校)などに幅広く郵送・配布しています。

共遊玩具活動を開始した1990年から現在までの30年の間に、4200点以上の玩具を共遊玩具に認定し、同カタログに掲載しています。

共有玩具のカタログは、下記のリンクからダウンロード、印刷ができます。

参考PDF:2023 共遊玩具カタログもくじ|一般社団法人日本玩具協会(外部リンク)

また、下記から点字カタログのダウンロードも可能です。

参考:共有玩具カタログ・啓発ビデオ|一般社団法人 日本玩具協会(外部リンク)

大手玩具メーカーの共遊玩具の取り組み

大手玩具メーカーの共遊玩具については、下記のリンクからご覧になれます。
参考:
共遊玩具ってなぁに?|タカラトミー(外部リンク)
おもちゃのユニバーサルデザイン|おもちゃの会社バンダイのサステナビリティ(外部リンク)

大手玩具メーカーのタカラトミーでは、「音のカタログ」を用意しています。
参考:音のカタログ|タカラトミーの共遊玩具たち|タカラトミー(外部リンク)

日本点字図書館【わくわく用具ショップ】で販売されている玩具から選ぶ

日本点字図書館(外部リンク)では、視覚障害者も晴眼者も楽しめる玩具や遊べるグッズが販売されています。日本点字図書館に行って実物を見た中から玩具やグッズを選ぶのも、おすすめの方法の1つです。

この記事で紹介した玩具も一部取り扱いがあるほか、点字のついたUNOやトランプ、視覚障害者も楽しめるオセロなども販売しています。

日本点字図書館で販売されているような、点字がついたトランプやUNOを修学旅行に持って行って、弱視、全盲のみんなで遊んだ思い出があります。とても楽しかったです。

参考:おもちゃ・ゲーム|わくわく用具ショップ(外部リンク)

視覚障害者に聞いて選ぶ

周りに視覚障害者がいる場合は、直接聞いてみるのもいいかもしれません。

視覚障害にもさまざまな見え方があるので、一緒に遊ぶ時やプレゼントをするときには、どのようなグッズや玩具なら一緒にできるか、普段どんな風に遊んでいるのか、直接聞いてみてもいいかもしれません。

私の周りだと、中途障害や進行性の障害の人は、見えていた時期の記憶やゲームの音を頼りに、やったことのある対戦型のオンラインゲームを楽しんでいる人もいます。私は弱視ですが、今よりも見えていたときにマリオカートやスマッシュブラザーズをやっていました。携帯版だと枠の外に落ちない設定のゲームもあるので、弱視でも楽しみやすいです。

携帯画面を横向きにして右手で持ち、画面を見ている視覚障害者。

この記事に掲載した以外のボードゲームや、身の回りのものを使った遊びやレクリエーションについては、以下の記事も参考にしてみてください。

参考:視覚障害者と一緒にグループで楽しめるレクリエーションは何がある?市販のボードゲームや身近なものでできるゲームをご紹介! | Spotlite(内部リンク)

最後に

視覚障害者と一緒に遊べるグッズや玩具には様々な種類があります。年代や興味の範囲に応じて、それぞれの人にあった玩具を選ぶための参考になれば嬉しいです。

Spotliteでは、視覚障害者の外出時にガイドヘルパーを派遣する障害福祉サービス「同行援護」の事業所を運営しております。利用者、ヘルパーともに、若年層中心の活気ある事業所です。余暇活動を中心に、映画鑑賞やショッピング、スポーツ観戦など、幅広いご依頼に対応しています。お気軽にお問い合わせください。

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※ 当事務所は、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、および香川県に対応しています。

この記事を書いたライター

Spotlite編集部

Spotlite編集部は、編集長で歩行訓練士の高橋を中心に、視覚障害当事者、同行援護従業者、障害福祉やマイノリティの分野に精通しているライター・編集者などが協力して運営しています。

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