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視覚障害

全盲とは?原因、仕事や生活について解説

ガイドヘルパーの肩に手を置いている白杖の女性。

このページでは、全盲の原因や、全盲の人の仕事、生活などについてまとめています。

全盲とは

全盲(ぜんもう)とは、視力が全くない、またはほとんど見えない状態をいいます。

国立障害者リハビリテーションセンターでは、全盲について以下のように説明されています。

“全盲とは、医学的には光も感じない状態をいいます。”
引用:視覚障害者の理解のために | 国立障害者リハビリテーションセンター(外部サイト)

そして全盲の人は「盲人」と表現されることもあります。全盲の場合、障害等級は1級です。

全盲と似た言葉に「盲目」や「失明」があります。

盲目とは、病気や怪我が原因で、視力がなく目が見えない人、目が見えない状態を指します。「失明」とは視力を失うことそのもので、「盲目」とは失明により起こった状態を意味します。失明は片方の目の視力がなくなった場合にも使われます。

参考:眼(眼球及びまぶた)の障害に関する障害等級認定基準 | 厚生労働省(外部リンク)

「盲目」については、以下の記事も参考にしてください。

参考:盲目とは?定義や、仕事、生活について紹介|Spotlite(内部リンク)

全盲になる原因

階段を上る視覚障害者とガイドヘルパーの足元。

全盲になる原因はさまざまですが、主に以下の原因が挙げられます。

  • 事故
  • 病気
  • 生まれつき

眼球の障害以外の理由でも、全盲になる場合があります。視覚に関わる脳の部位の損傷や、感染症、栄養失調などにより全盲になるケースもあります。

全盲になった原因や疾病によって異なりますが、全盲の人の視力が回復するケースも一部では報告されています。過去の例には遺伝子治療などがあります。近年では、人工網膜の移植やiPS細胞から作った角膜組織の移植などによる治療も注目されています。

重度の視覚障害者の仕事

全盲の人が含まれる、重度の視覚障害者のデータを紹介します。

厚生労働省が発表した「平成30年度 障害者の職業紹介状況等」の重度の視覚障害者の就職状況は以下のとおりでした。

①新規求職申込件数②有効求職者数③就職件数④就職率
2,781人4,375人1,167件42.0%
参考PDF:平成30年度 障害者の職業紹介状況等 | 厚生労働省(外部リンク)

上記の表で使われている用語の意味は以下のとおりです。

  1. 新規求職申込件数:期間中に新たに受け付けた求職申込みの件数
  2. 有効求職者数:前期間から繰越された求職者の数に「①新規求職申込件数」を加えた数
  3. 就職件数:有効求職者が就職したことを確認した件数
  4. 就職率:求職者に対する就職件数の割合をいい、「③就職件数」を「①新規求職申込件数」で除して算出する

参考:一般職業紹介状況(職業安定業務統計):集計結果(用語の解説) | 厚生労働省(外部リンク)

平成30年度は、重度の視覚障害者2,781人が職を求めた結果、1,167件の就職につながりました(就職率42.0%)。

また重度の視覚障害者の職業別就職先は、日本視覚障害者団体連合が発表している「H30年度ハローワークを通じた職業紹介状況」から分かります。

職業別の就職件数を円グラフにしました(n=1,167)。

重度視覚障害者の職業別就職先のグラフ。 専門的、技術的職業が64.6%でもっとも多く、次いで運搬、清掃業12.0%、事務11.6%、サービス7.7%となっている。

参考:H30年度ハローワークを通じた職業紹介状況 | 日本視覚障害者団体連合(外部リンク)

上記の円グラフの内容を以下に箇条書きでまとめます。

  • 専門的・技術的職業:64.6%
  • 運搬・清掃等:12.0%
  • 事務:11.6%
  • サービス7.7%
  • 生産工程:2.1%
  • 販売:1.1%
  • 農林漁業:0.4%

専門的・技術的職業(64.6%)の内訳は、「あんま・鍼・灸・マッサージ」が55.4%、「福祉施設指導専門員(機能訓練指導員等)」が4.0%、「理学療法士」が1.1%、「その他」が4.0%です。

全盲の人の生活

曲がり角の点字ブロック。線状ブロックと点状ブロックが写っている。

全盲の人がどういう生活を送っているかがわかれば、どんなときに晴眼者のサポートが必要なのか、どのようにサポートをすればいいのかが判断しやすくなります。

詳しくは以下のページで紹介しているので、参考にしてみてください。

参考:視覚障害者の生活とは。部屋の中や仕事、趣味など暮らしの様子を紹介 | Spotlite(内部リンク)

視覚障害者が外出する方法とは?

白杖を使用して、ひとりで外出する人も多くいます。白杖には視覚障害者であることを周囲の人に知らせたり、道の状態や障害物を検知する役割があります。

また、同行援護を利用することもあります。同行援護とは、視覚障害者が外出する際にガイドへルパーと一緒に外出し、目的地までの安全に移動したり、視覚情報の提供を受けられるサービスです。

また、盲導犬や視覚障害者向けの最新のデバイス、スマートフォンのアプリを使っている人もいます。

参考:同行援護とは?支援内容や対象者・移動支援との違いを解説 | Spotlite(内部リンク)

Spotliteでは、視覚障害者の外出時にガイドヘルパーを派遣する障害福祉サービス「同行援護」の事業所を運営しております。利用者、ヘルパーともに、若年層中心の活気ある事業所です。余暇活動を中心に、映画鑑賞やショッピング、スポーツ観戦など、幅広いご依頼に対応しています。お気軽にお問い合わせください。

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※ 当事務所は、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、および香川県に対応しています。

監修:椎野めぐみ先生

略歴:
眼科医。神奈川県生まれ。浜松医科大学医学部卒業後、横浜市立大学付属病院、みなと赤十字病院などを経て、横浜市立大学講師を務める。2018年上智大学グリーフケア研究所臨床傾聴士を取得。趣味は、美味しいものを食べること、感動する本を読むこと。

この記事を書いたライター

Spotlite編集部

Spotlite編集部は、編集長で歩行訓練士の高橋を中心に、視覚障害当事者、同行援護従業者、障害福祉やマイノリティの分野に精通しているライター・編集者などが協力して運営しています。

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