「一般の人に比べて、まぶしさを感じやすい」「パソコンの光や明るいところが、まぶしくて見られない」などの状態を「羞明(しゅうめい)」といいます。
まぶしさの感じ方には個人差があり、同じ光の強さでも、少し見えづらいと感じる人から目が開けられないほどまぶしさを感じる人までさまざまです。
羞明にはいくつかの原因があり、原因によっては治療できる場合もあります。また治療が難しい場合は、対策をすることでまぶしさを軽減できます。
この記事では、羞明の概要や羞明の人が困っていること、羞明の症状を和らげる対策法などを解説します。この記事を読んで、羞明について理解を深めてみてください。
羞明とは?
羞明(しゅうめい)とは、多くの人が気にならない明るさでも、まぶしく感じ、目を開けていることを辛く感じる状態です。
羞明は眼疾患ではありません。目を刺激するさまざまな感染症や炎症の症状です。目に関する病気だけではなく、ウイルス感染や偏頭痛などにより羞明が起きる場合もあります。
羞明の状態は、大きく分けて「痛みがある」「痛みがない」の2種類に分類されます。
症状や見え方
羞明の場合、以下のような見え方や症状が現れる人がいます。
- 屋外などで光を強く感じ、物を明確に見られなくなった
- 視界が霞んだように、白い霧がかかったように見える
- 強い光を受けたときに、痛みや不快感を感じる
このように、羞明の症状や見え方は、人によってさまざまです。
「以前よりまぶしさを強く感じるようになった」「弱い光でもまぶしいと感じる」「まぶしさに対して痛みが出るようになった」などの症状が見られた場合は、眼科を受診しましょう。症状が見られるようになった時期や状況をメモしておくと、診断がよりスムーズになります。
原因や関連する病名
羞明になる原因も、人により異なります。
例えば「痛みがある」場合は、以下のような原因が考えられます。
- 角膜に傷がついている(異物混入やドライアイ、コンタクトレンズによる炎症、角膜感染症など)
- 緑内障
- ぶどう膜炎
「痛みがない」羞明の場合には、以下のような病気が考えられます。
- 動眼神経麻痺
- 白内障
- 黄斑変性・萎縮
- 眼瞼けいれん
参考:「まぶしい(羞明)」原因と考えられている病気一覧 | 日本眼科学会(外部リンク)
他にも、ウイルス性の病気や重度の頭痛、片頭痛など、目に直接影響のない基礎疾患の症状が原因で羞明が起こる場合があります。
治療法
羞明の治療法で最善とされているのは、羞明を引き起こす原因の疾患を特定し、治すことです。適切に根本的な治療を行えば、羞明は改善されることがあります。
また治療によって羞明が治らない場合は、日常生活で対策を行うことで、まぶしさを軽減できます。
羞明の人が日常生活で困っていること
羞明の人は、日常生活でも困る場面があります。
例えば、以下のような場面です。
- 日中の明るい場所では物が明確に見えず、歩行や運転に支障が出る
- パソコンで長時間作業ができない
- 明るい場所での仕事に時間がかかる
羞明の人が日常生活をよりスムーズに過ごすためには、治療や対策だけでなく、周囲の理解や配慮も大切です。
まぶしさを軽減するための対策法
羞明によるまぶしさを軽減するための対策を紹介します。
以下の対策で、日常生活が楽になる場合があります。
- 日中、屋外では帽子やフードをかぶる
- 遮光眼鏡をかける
- 蛍光灯が苦手な人は、照明を間接照明に変えてみる
- パソコンやスマートフォンの輝度を下げる
- 目を休めて疲労解消に努める
- 不衛生なコンタクトレンズを使わない
Spotliteでは、遮光眼鏡について紹介しています。
参考:サングラスとどう違う?遮光眼鏡のおはなし | Spotlite(内部リンク)
最後に
羞明は多くの人が気にならない明るさでもまぶしく感じ、目を開けていることを辛く感じる状態です。眼疾患ではなく、目を刺激するさまざまな感染症や炎症の症状のことを言います
原因や症状は人によりさまざまです。治療法は、根本となる疾患を治すことが最善とされています。治療できない場合は、日常生活の工夫によってまぶしさを軽減できます。
本人だけでなく家族や職場の人などが羞明を理解することで、日常生活がより過ごしやすくなることを願っています。
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