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視覚障害者が使いやすい財布とは?おすすめの財布や便利グッズも紹介

財布から紙幣を取り出そうとしている手元の写真。

日本の紙幣や硬貨は、視覚障害者でも判別できるように、大きさや形が種類ごとに異なっています。

しかし実際、ひとつの財布にさまざまな種類のお金が入っていると、視覚障害者が、手触りだけですぐにお金を判別するのは難しい場合が多いです。そこで便利なのが、視覚障害者向けの財布です。

この記事では、視覚障害者専用の財布の特徴やおすすめの財布を紹介します。

視覚障害者専用の財布があれば、より買い物などがしやすくなるかもしれません。使いやすい財布を探している方は、ぜひ参考にしてください。

視覚障害者は、紙幣や硬貨を識別するのが難しいことも

掌に1円玉や5円玉が乗っている写真。
(写真素材:Unsplash)

視覚障害者は、紙幣や硬貨の識別が難しく感じる場合があります。

日本の紙幣には「識別マーク」という、触ることで判別できる凹凸があります。1万円札ではかぎ型、5千円札なら八角形、千円札なら横棒の識別マークがあります。

参考:識別性向上に向けた取組 | 独立行政法人 国立印刷局(外部リンク)

しかし、年数が経つにつれて識別マークの凹凸がなくなる、視覚障害になったばかりの人は判別が難しい、などの問題もあります。

また、紙幣や硬貨はそれぞれサイズや形が異なりますが、財布の中に比較できる種類のお金がない場合もあります。財布に使い古された5円玉と50円玉しかない場合、どちらがどの硬貨か判断するのは難しいですよね。

視覚障害者の北原さん
紙幣でも大きさが違うし、質感が違っているので、触って区別することはできるのですが、これからお札のデザインが変わる予定なので不安ですね。

視覚障害者者が使いやすい財布の特徴

視覚障害者が使いやすいとされているのは、以下3つの特徴がある財布です。

  • コインレール
  • 紙幣の種類を識別できる
  • 収納ポケットが充実している

それぞれの特徴を、使いやすい理由とあわせて説明します。

コインレールがついている

視覚障害者が財布を選ぶ際は、コインレールがついていると便利です。

コインレールとは、レール式の金属で硬貨を挟むものです。コインキャッチャー、コインキャッチなどと呼ばれることもあります。

硬貨別に収納でき、硬貨をスライドさせて取り出します。レールにコインを挟むとしっかり固定されるので、横にしても落ちることはありません。また、硬貨の枚数も数えやすいです。

コインレールでなくとも、小銭を識別できる機能があると便利でしょう。

視覚障害者の北原さん 
見えなくなってからの期間が短い方や、視覚障害以外の障害も併発している方にとって、とても使いやすいと思います。少し前に100均でもレール付き財布が売っていて周囲で話題になっていました。

紙幣の種類を識別できる

紙幣の種類を識別できる機能のついた財布があります。

例えば、株式会社システムイオが販売している「Wallet(ウォレット)」。この財布は紙幣専用で、ボタンを押すとカメラで紙幣を読み取り識別し、音声や効果音などで教えてくれます。

参考:Wallet(ウォレット) | 日本ライトハウス 情報文化センター(外部リンク)

また、財布ではありませんが、日本点字図書館が販売している「紙幣が見分けられる!簡単サ印ガイド」も便利です。一万円札サイズの板に、五千円札と千円札の印がついており、紙幣の長さで紙幣を識別できます。一万円札が畳まずに入る財布なら、紙幣と一緒に入れることができます。

参考:紙幣が見分けられる!簡単サ印ガイド | 日本点字図書館(外部リンク)

収納ポケットが充実している

視覚障害者にとって、収納ポケットが充実しているかというのも、使いやすい財布を選ぶポイントです。

収納ポケットが充実していると、身分証明書や病院の診察券など、頻繁に使用するカードをスムーズに取り出せます。

また、硬貨や紙幣を入れる部分に仕切りが多いと、事前にお金を分けておけるので、取り出しの際に便利です。

障害者手帳などが入るフリースペースがあると便利です。障害者手帳を財布に入れておくことで、持ち忘れや紛失防止につながります。

視覚障害者の北原さん
私の場合は、財布の形や機能にはこだわりはなくて、何をどこに入れるか決めるようにしています。

視覚障害者におすすめの財布

最後に、視覚障害者におすすめの財布を2つ紹介します。

商品①:コインレール付き本革長財布

コインレール付き長財布の写真。
出典:コインレール付き本革長財布 | 日本点字図書館(外部リンク)

10円、50円、100円、500円のコインレールがついた、本革の長財布です。コの字型にチャックがついています。チャックを開けると中央に硬貨の収納スペース、両サイドに紙幣とカードが収納できるスペースがあります。硬貨の収納スペース専用のチャックが付いているので、小銭の落下も防止できます。

紙幣のスペースには仕切りがついており、3種類の紙幣が折りたたまずに収納可能です。カード入れには6枚のカードが入れられ、障害者手帳などが入るフリースペースもあります。

財布には金具がついているので、財布の上下が分かるようになっています。

商品サイト:コインレール付き本革長財布 | 日本点字図書館(外部リンク)

商品②:コインホームプラス

1円、5円、10円、50円、100円、500円のコインホームがついた3つ折りの財布です。

コインホームとは、同じ種類の硬貨を重ねて収納するコインホルダーです。ストッパーがついているので、コインを1枚だけ収納しても落ちません。

コインホームプラスは、コインホームの他に、ファスナー付きポケットと紙幣を収納するスペースがあります。折り畳むとポケットに入るサイズになるので、持ち歩きに便利です。

商品サイト:コインホームプラス | 日本ライトハウス情報文化センター(外部リンク)

コインホームの写真。小銭を分けてしまえるコインホームに小銭が入っている。
スタッフ私物のコインホーム。

最後に

視覚障害者が財布を選ぶ際には「コインを分けて収納できる」「紙幣の識別ができる」「収納スペースが多い」などの機能がついているかを確認してみましょう。

買い物や銀行、病院など使用する機会が多い財布だからこそ、使いやすいものを選ぶことが大切です。

この記事が、自分に合った財布を見つけるきっかけになれば嬉しいです。

Spotliteでは、視覚障害者の外出時にガイドヘルパーを派遣する障害福祉サービス「同行援護」の事業所を運営しております。利用者、ヘルパーともに、若年層中心の活気ある事業所です。余暇活動を中心に、映画鑑賞やショッピング、スポーツ観戦など、幅広いご依頼に対応しています。お気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いたライター

Spotlite編集部

Spotlite編集部は、編集長で歩行訓練士の高橋を中心に、視覚障害当事者、同行援護従業者、障害福祉やマイノリティの分野に精通しているライター・編集者などが協力して運営しています。

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