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視覚障害者の支援制度とは?内容や利用方法を紹介

公演のベンチで、視覚障害者と晴眼者が談笑している。

視覚障害者が利用できる支援制度には、外出時のサポートから医療費減免などさまざまなものがあります。

このページでは、視覚障害者のための支援制度を8つ紹介します。

  • 同行援護
  • 居宅介護
  • 自立訓練(機能訓練)
  • 就労移行支援
  • 補装具費の支給や盲導犬の貸与
  • 相談支援
  • 医療費や税金の減免
  • 障害年金

目次をクリックして、気になる支援制度に飛んでみてください。支援内容や利用方法を紹介します。

なお、このページでは、以下の書籍を参考にして解説しています。

参考:『同行援護従業者養成研修テキスト 第4版』

視覚障害者を支援する福祉サービス

博物館に向かって歩く、白杖を持った人と同行援護者の後ろ姿。

視覚障害者を支援する福祉サービスには、以下のものがあります。

  • 同行援護
  • 居宅介護
  • 自立訓練(機能訓練)
  • 就労移行支援
  • 補装具費の支給や盲導犬の貸与
  • 相談支援
  • 医療費や税金の減免
  • 障害年金

支援内容や利用方法を制度ごとに説明します。

同行援護

同行援護は、視覚障害者の外出をサポートする福祉サービスです。支援内容は以下の3つです。

  1.  移動時及びそれに伴う外出先において必要な視覚的情報の支援(代筆・代読を含む)
  2. 移動時及びそれに伴う外出先において必要な移動の援護
  3. 排泄・食事等の介護その他外出する際に必要となる援助

参考:『同行援護従業者養成研修テキスト 第4版』

利用するためにはまず、市区町村の福祉窓口での利用申請が必要です。受給者証を受け取ったら、同行援護の事業所と契約します。

同行援護について、以下のページで詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

参考:同行援護とは?支援内容や対象者・移動支援との違いを解説 | Spotlite(内部リンク)

居宅介護

居宅介護は、ホームヘルパーが家を訪問し、生活全般にわたる援助などを行います。支援内容は以下の通りです。

  • 身体介護
  • 家事援助
  • そのほか、生活の相談や助言など

身体介護では、入浴、排泄、食事等の介護を受けることができます。家事援助では、調理、洗濯、掃除などの援助を受けることができます。そのほかに、生活等に関する相談や助言など、生活全般にわたる援助を受けることができます。

利用するためには、同行援護と同様に、市区町村の福祉窓口での利用申請が必要です。受給者証を受け取ったら、居宅介護の事業所と契約します。
参考:居宅介護(ホームヘルプ) | 独立行政法人 福祉医療機構 WAM NET(外部リンク)

自立訓練(機能訓練)

自立訓練(機能訓練)は、視覚障害者が自立した日常生活や社会生活を送ることを目的とした福祉サービスです。歩行訓練やパソコン操作の習得、点字の読み書きなどを学びます。生活等に関する相談や助言も支援内容のひとつです。

訓練は障害者支援施設やサービス事業者、または障害者の自宅で行う場合もあります。

自立訓練を利用する場合は、最初にお住まいの地域の福祉窓口に相談します。利用する事業所が決まったら受給者証の交付手続きを行い、交付後、事業所と契約をして利用開始です。
参考:自立訓練(機能訓練/視覚) | 国立障害者リハビリテーションセンター(外部リンク)

就労移行支援

就労移行支援では、就労するための知識や能力向上のための訓練が行われます。求職活動に関する支援や障害者本人に合わせた職場の開拓、職場に定着するまでの相談や支援も含まれます。

利用対象者は就労を希望し、単独で就労するのが難しい65歳未満の障害者です。ただし65歳以上でも、就労が可能だと見込まれる場合は利用できる場合があります。

利用申込をする場合は、お住まいの地域の福祉窓口に相談します。サービス等利用計画などを作成し、受給者証を受け取ったら、就労移行支援の事業所と契約します。

補装具費の支給や盲導犬の貸与

視覚障害者の補装具には「視覚障害者安全つえ」「義眼」「眼鏡」があります。これらの購入や修理にかかる費用が支給されます。原則1割が利用者負担ですが、月額の上限負担は世帯収入などにより異なります。

支給申請は、各市区町村の福祉窓口から行います。

参考:補装具費支給制度の概要 | 厚生労働省(外部リンク)

また盲導犬の貸与も受けられます。盲導犬は視覚障害者の外出をサポートする犬です。段差や障害物、信号などの存在を視覚障害者に伝え、安全な歩行ができるようにします。盲導犬は各都道府県や地方自治体などの補助金等により、無料で貸与されます。

盲導犬を利用したい場合は、希望する盲導犬訓練センターに連絡をします。盲導犬との共同訓練を行い認定されると、盲導犬との生活が始まります。

参考:盲導犬貸与について | 社会福祉法人 中部盲導犬協会(外部リンク)

視覚障害者を助ける道具には、補装具や盲導犬のほかに以下のものなどがあります。

  • 点字表記
  • 活字文書読み上げ装置
  • 視覚障害者用道路横断帯(エスコートゾーン)
  • 歩行支援のスマートフォンアプリ

視覚障害者が利用できる道具について、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

参考:視覚障害者の生活の助けになる便利な道具。購入やレンタルする方法も紹介 | Spotlite(内部リンク)

相談支援

相談支援とは、障害者の抱えている不安や生活の困りごとの相談に乗ったり必要な支援を行うことです。

相談支援には2種類あります。

  • 地域相談支援
  • 計画相談支援

地域相談支援は、障害者施設などに入所している障害者が地域での生活に移行する場合や、一人暮らしなどの障害者の緊急事態などの場合に利用できる支援です。

計画相談支援とは、障害福祉サービスの利用開始や変更などの場合に利用できます。サービス等利用計画書を作成や見直しを行います。

相談支援の窓口は、お住まいの市区町村の福祉窓口です。

参考:障害のある人に対する相談支援について | 厚生労働省(外部リンク)

医療費や税金の減免

視覚障害者は、医療費の助成や税金の減免を受けることができます。

医療費の助成は、障害者手帳などをお持ちの方が受けられます。病院などで診察を受けた場合の自己負担額が、助成金として後から振り込まれる制度です。助成対象者は市区町村により異なるので、事前に確認しましょう。利用を検討する場合は、お住まいの市区町村の福祉窓口に相談します。

障害者は、障害者控除などを受けられます。障害者が受けられる控除などには、以下のものがあります。

  • 所得税の障害者控除
  • 相続税の障害者控除
  • 心身障害者扶養共済制度に基づく給付金の非課税
  • 特定障害者に対する贈与税の非課税
  • 少額貯蓄の利子等の非課税

また障害者を扶養している場合には、所得税の障害者控除が利用できます。税金の減免は、お住まいの税務署や市区町村の課税課で申告します。

参考:障害者と税 | 国税庁(外部リンク)

障害年金

障害年金は、病気やけがで生活や仕事が制限される場合、年金受給年齢になる前に受け取れる年金です。

障害年金には、以下の2種類あります。

  • 障害基礎年金
  • 障害厚生年金

病気やけがの診療を初めて受けた際に、国民年金に加入していた場合は「障害基礎年金」、厚生年金に加入していた場合は「障害厚生年金」が受け取れます。

参考:障害年金 | 日本年金機構(外部リンク)

請求する場合は、お住まいの市区町村の担当窓口や年金事務所から可能です。

視覚障害者の外出を支援する方法

新緑の中を、視覚障害者とガイドヘルパーが歩いている写真。

視覚障害者の外出を支援する方法もあります。

目の前で視覚障害者の方が困っていたり、身近に視覚障害者がいる場合は、以下の手順で行動します。

  1. 声かけが必要そうか判断する
  2. 声をかける
  3. 方向を説明する
  4. 誘導する

方向を説明する場合は「あれ」「こっち」などの抽象的な指示語は避けましょう。また、いきなり腕を引っ張ったり背中を押したりしないようにします。

以下のページで、視覚障害者の外出支援の方法を詳しく解説しています。

参考:すぐできる!視覚障害者のためにできること|声のかけ方と誘導方法 | Spotlite(内部リンク)

最後に

視覚障害者は、さまざまな支援制度が利用できます。外出時の支援や補装具、盲導犬の利用は、安全な外出につながります。また、税金や医療費の助成などで、経済的負担も軽減できます。

Spotliteでは、視覚障害者の外出時にガイドヘルパーを派遣する障害福祉サービス「同行援護」の事業所を運営しております。利用者、ヘルパーともに、若年層中心の活気ある事業所です。余暇活動を中心に、映画鑑賞やショッピング、スポーツ観戦など、幅広いご依頼に対応しています。お気軽にお問い合わせください。

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※ 当事務所は、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、および香川県に対応しています。

この記事を書いたライター

Spotlite編集部

Spotlite編集部は、編集長で歩行訓練士の高橋を中心に、視覚障害当事者、同行援護従業者、障害福祉やマイノリティの分野に精通しているライター・編集者などが協力して運営しています。

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