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視覚障害者が安全に電車を利用するために。注意点と声かけの方法を紹介

白杖の人が駅の改札を通っている写真

視覚障害者が電車を利用する際、駅構内の段差や電車とホームの隙間につまずいたり、ラッシュ時に押されてしまったりと危険な場面が多くあります。実際、視覚障害者の中には、電車に乗ることが怖いと感じている方も多いようです。

この記事では、視覚障害者が安全に電車を利用するための注意点やホームでの視覚障害者への声のかけ方などを解説します。視覚障害者が困ると感じやすい場面もあわせて紹介していますので、ぜひ声かけなどの参考にしてください。

視覚障害者向けの電車の設備

駅案内板に点字がついている様子

駅のホームや改札口付近には、以下のような視覚障害者向けの設備があります。

  • 点字付きの音声案内
  • 点字運賃表
  • 自動券売機
  • 視覚障害者誘導用ブロック(点字ブロック)
  • 階段の手すり
  • 誘導チャイム

参考:目の不自由なお客さまへ | JR東日本(外部リンク)

点字運賃表は、自動券売機のそばにあります。行き先とその駅までの運賃が点字で書かれています。自動券売機には、タッチパネルの下側に数字のテンキーがついています。点字運賃表に書かれている金額を支払えば、切符が買えます。

駅のホームやコンコースに設置されているのは、視覚障害者誘導用ブロック(点字ブロック)です。進む方向や注意する場所などを示しています。階段の手すりには、点字テープが貼ってあり、列車の進行方向や出口などが表示されています。

また、視覚障害者が改札の場所を把握するために、自動改札の付近で誘導チャイムが鳴っている鉄道事業者も多くあります。

参考:駅の「ピーン、ポーン」何のためにある? 安全な案内のために重要な音 | 乗りものニュース(外部リンク)

2023年3月には、視覚障害者用のSuicaとPASMOが発売されました。各ICカードの特徴や利用方法を以下の記事にまとめています。ぜひ参考にしてください。

参考:障がい者用SuicaとPASMOの割引率やエリア・購入場所を解説 | Spotlite(内部リンク)

視覚障害者が電車の利用時に困っていること

電車内の写真。
(写真素材:Unsplash)

視覚障害者が電車の利用時に困っていることは数多くあります。以下に、その一部を紹介します。

  • 安全確認のために乗車まで時間がかかる
  • ラッシュ時に後ろから突然押されると怖い
  • 席が空いているかどうかわからない

それぞれの状況について、説明します。

安全確認のために乗車まで時間がかかる

視覚障害者は手や白杖を使って、安全確認を行います。そのため、乗車まで時間がかかる場合があります。

例えば乗車の際には白杖でドアの位置を探したり、ドアのふちを手で触ったりして確認します。少しずつ位置を確認しながら安全を判断するので、時間がかかります。

最近はホームドアを設置している駅も増えています。しかしホームドアがない駅では、線路に転落してしまう危険もあります。そのため、乗り場に近づくために点字ブロックや音を確認する必要があるのです。

また、乗り換え時の移動にも、晴眼者より時間がかかります。駅員に案内を頼む場合は、さらに時間がかかってしまう場合もあります。

ラッシュ時に後ろから突然押されると怖い

ラッシュ時には、後ろから突然押される危険があり、怖いと感じてしまう視覚障害者もいます。

混雑している場所では、白杖が他の人の足にぶつかったり、荷物にひっかかり引っ張られてしまったりすることもあります。また人の出入りが激しい電車では、乗り降りの際に不意に押し出されることも起こります。

ラッシュ時には点字ブロックの上に人が立っていたり歩いていたりするため、点字ブロックを頼りに歩けないという声もあります。

席が空いているかどうかわからない

電車に乗っている状況で、目の前の席が空いていても気がつかない場合もあります。また、吊り革や手すりが見つけにくいという人もいます。

空いているか分からない、移動した時に足を踏んでしまいそうで怖いと感じる方もいるようです。

駅やホームで困っている視覚障害者への声のかけ方

電車の扉の部分に点字ブロックがある写真。
(写真素材:Unsplash)

もし、駅やホームでで困っている視覚障害者を見かけたら、次の方法で声をかけましょう。

  1. 「こんにちは、何かお手伝いしましょうか?」と声をかける
  2. 誘導が必要か確認する
  3. (誘導する際は)肘や肩を持ってもらい、半歩前を歩く

視覚障害者を誘導する際は、必ず声をかけてから行います。いきなり腕を掴んだり、背中を押したりすると、恐怖を感じてしまいます。

また電車の中でつかまる部分を探しているようであれば、声をかけてから、手すりや吊り革、空いている席などに手を触れてもらうように誘導しましょう。

参考:視覚障害者の誘導方法はどうすればいい?場面別の対応も解説 | Spotlite(内部リンク)

最後に

電車を利用する視覚障害者は多いですが、不安や危険だと感じる場面が多いのが現状です。視覚障害者向けの設備や、ホームドアの設置なども増えていますが、まだ十分ではありません。

視覚障害者が安全に電車を利用するためには、周囲の協力も非常に大切です。困っている様子の視覚障害者がいたら、積極的に声かけをしましょう。また、点字ブロックの上に立ったり、荷物を置いたりしないように注意しましょう。

Spotliteでは、視覚障害者の外出時にガイドヘルパーを派遣する障害福祉サービス「同行援護」の事業所を運営しております。利用者、ヘルパーともに、若年層中心の活気ある事業所です。余暇活動を中心に、映画鑑賞やショッピング、スポーツ観戦など、幅広いご依頼に対応しています。お気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いたライター

Spotlite編集部

Spotlite編集部は、編集長で歩行訓練士の高橋を中心に、視覚障害当事者、同行援護従業者、障害福祉やマイノリティの分野に精通しているライター・編集者などが協力して運営しています。

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