視覚障害者は、身体障害者手帳を取得できることがあります。
身体障害者福祉法執行規則が定める基準を満たしていれば、障害者手帳の取得が可能です。手帳を持っていると、生活に付随するさまざまな福祉サービスを受けることができます。
福祉サービスを受けることで、日々の暮らしが少しでも快適になるかもしれません。
この記事では、視覚障害者の障害者手帳取得について、以下の点を紹介していきます。
- 障害者手帳の取得基準
- 障害者手帳の申請手順
- 障害者手帳の所持で受けることができるサービス
最後に、身体障害者の手帳取得によるメリットもまとめています。
身体障害者手帳の交付対象基準(等級)とは?
視覚障害者の身体障害者手帳は、身体の機能に一定以上の障害があると認められた方に交付される手帳です。身体障害者福祉法によって定められています。交付を受けるには、交付対象基準を満たしている必要があります。
以下の表にて、視覚障害者の身体障害者手帳の交付対象基準を解説しています。
この表は「身体障害者福祉法施行規則の身体障害者障害程度等級表」です。等級は1級から6級まであります。どれくらいの視力や視野角度があれば、どの級に相当するかがまとめられています。
身体障害者福祉法施行規則の身体障害者障害程度等級表 | |
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1級 | 視力の良い方の眼の視力が0.01以下のもの |
2級 | 1.視力の良い方の眼の視力が0.02以上0.03以下のもの 2.視力の良い方の眼の視力が0.04かつ他方の眼の視力が手動弁以下のもの 3.周辺視野角度の総和が左右眼それぞれ80度以下かつ両眼中心視野角度が28度以下のもの 4.両眼開放視認点数が70点以下かつ両眼中心視野視認点数が20点以下のもの |
3級 | 1.視力の良い方の眼の視力が0.04以上0.07以下のもの 2.視力の良い方の眼の視力が0.08かつ他方の眼の視力が手動弁以下のもの 3.周辺視野角度の総和が左右眼それぞれ80度以下かつ両眼中心視野角度が56度以下のもの 4.両眼開放視認点数が70点以下かつ両眼中心視野視認点数が40点以下のもの |
4級 | 1.視力の良い方の眼の視力が0.08以上0.1以下のもの 2.周辺視野角度の総和が左右眼それぞれ80度以下のもの 3.両眼開放視認点数が70点以下のもの |
5級 | 1.視力の良い方の眼の視力が0.2かつ他方の眼の視力が0.02以下のもの 2.両眼による視野の2分の1以上が欠けているもの 3.両眼中心視野角度が56度以下のもの両眼開放視認点数が70点を超えかつ100点以下のもの 4.両眼中心視野視認点数が40点以下のもの |
6級 | 視力の良い方の眼の視力が0.3以上0.6以下かつ他方の眼の視力が0.02以下のもの |
身体障害者手帳の申請方法
身体障害者手帳を取得する手順は以下のとおりです。
ステップ1
都道府県知事、指定都市の市長または中核市の市長が指定する医師の診断を受けて、診断書・意見書の発行をしてもらう。
※身体障害者診断書・意見書の詳細については、居住する市区町村の障害福祉担当窓口にて確認が必要です。
ステップ2
診断書や意見書と、身体に障害がある方の顔写真を用意し、居住する市区町村の窓口に申請する。
※申請書は窓口に用意があります。また代理人申請も可能です。
ステップ3
都道府県知事により、申請内容が認定されたら手帳が交付される。
※手続き完了までに1ヶ月半程度は時間を要します。場合によってはそれ以上かかることもあります。居住エリアの障害者支援センターか郵送によって受け取りが可能です。
参考:身体障害者手帳について | 東京都心身障害者福祉センター(外部リンク)
身体障害者手帳制度は、身体障害者福祉法に基づき、都道府県の指定都市又は中核市において障害の認定や交付をしています。
手帳は原則更新がありませんが、障害の状態や身体症状に変化がある場合、手帳の交付から一定期間を置いた後、再認定をすることがあります。
参考:障害者手帳 | 厚生労働省(外部リンク)
既に申請を終えた、視覚障害者の北原さんが難しかったと感じているのは、視覚障害に関わる病気を発症した日(認定日)を特定することです。
診断された病院が閉院していたり、診断されたのが5年以上前だったりすると、カルテがないことがあります。
そうなると、認定日を特定するのが難しいため、社労士に特定をお願いする人もいます。
手帳所持によって受けることができるサービス
障害者手帳を取得していると、以下のようなサービスを受けることができます。
- 同行援護制度
- 市区町村による医療費助成
- 交通機関の割引、福祉タクシー利用券の交付
- 税金の控除
- 補装具費の支給
- 日常生活用具の給付
交通機関の割引について、2023年から高速道路での割引がされやすくなりました。
以前は事前に申請した指定の車両だけが割引の対象でした。でも2023年2月の障害者割引制度の見直しによって、手帳を提示すればどの車両でも割引が適用されるようになりました。
サービスの種類によって、所得や年齢、障害の程度などの制限があることもあります。事前に市区町村などに確認してみましょう。
視覚障害者の障害者手帳についてのまとめ
視覚障害者も身体障害者手帳を取得することができます。
医療費や税金、交通費など、生活に欠かせないインフラ面の費用負担が減るほか、補装具などを利用しやすくなる点もメリットです。
これまで費用負担がかかるために福祉サービスを利用しにくかったという方が、もしいらっしゃったら、ぜひ手帳の取得を検討し、同行援護制度や日常生活用具の給付を受けてみてはいかがでしょうか。
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