視覚障害者のマラソン競技があることを知っていますか?
パラリンピックの競技にもなっており、多くの視覚障害者が国内外の大会に参加しています。
この記事では、視覚障害者のマラソンの概要やルール、メリットなどをわかりやすく紹介します。視覚障害があり「なにかスポーツを始めて運動不足を解消したい」「新しい趣味がほしい」と思っている方、視覚障害のある家族や友人にマラソンを勧めたいという方は、ぜひ読んでみてください。
視覚障害者のマラソンとは?
視覚障害者のマラソンは「ブラインドマラソン」とも呼ばれ、ひとつの競技として確立されています。視覚障害があることが参加の条件となっていますが、ここでいう「視覚障害」とは何でしょうか。
視覚障害とは「視力や視野などの視機能が十分でないために、全く見えなかったり、見えにくかったりして生活に支障がある状態」のこと。全く視力がない全盲と、全く見えないわけではないものの、日常生活や就労において制限や不自由を強いられる弱視(ロービジョン)に分けられます。
視覚障害者のマラソン大会では、障害の程度によって分けられる「クラス」に属して競技を行います。クラス分けは、国際パラリンピック委員会によって次のように定められています。
T11クラス/B1クラス:伴走者が必須
もっとも障害が重いクラスで、どの距離や方向からでも手の形を認知できない。
T12クラス/B2クラス:伴走者と走るか単独で走るか選択できる
手の形を認知できるものから視力0.03まで、または視野が5度以内。
(視力と視野の程度で分類)
T13クラス/B3クラス:単独で走る
視力は0.04から0.1、または視野20度以内。
(視力と視野の程度で分類)
参考:視覚障がいについて知ろう|日本ブラインドマラソン協会(外部リンク)
視覚障害者のマラソン大会は、国内各地でも開催されています。全国視覚障がい者駅伝のように、一般のマラソン大会と同時開催のものもあります。
ブラインドマラソンのルールと注意点
ブラインドマラソンでは、競技レベルにより参加者に求められることが変わります。国際パラリンピック委員会レベルの大会や全国障害者スポーツ大会など、規模の大きな大会では細かなルールが制定されていますが、一般のマラソン大会などではそれほど細かい決まりはありません。
ただし、ブラインドマラソンを始めるときは次のことに注意してください。
ランナーの注意点
「走ってみたい」と思っても最初は無理をせず、ウォーキングなどから始めて徐々に体を慣らしていきましょう。また、疾患によっては走るときの着地による振動などが目に良くない場合もあります。マラソンを始める前に、医療機関などに相談してください。
伴走者が守るべきルール
伴走者の役割は視覚障害のあるランナーと一緒に走り、目となって方向を伝えたり、障害物を避けたりすること。伴走者は、どんな大会でも次の3つのルールを守る必要があります。
- 助力を与えてはいけない。前に出て引っ張ったり、後ろから押すなどは禁止
- フィニッシュ地点では、視覚障害ランナーが先にフィニッシュする
- 同時に走る伴走者は一人
参考:日本ブラインドマラソン協会(JBMA)WEBサイトより
「よくあるご質問」(外部リンク)
「伴走Q&A」(外部リンク)
「伴走とは」(外部リンク)
視覚障害者がマラソンに参加する魅力
視覚障害者のマラソンにはさまざまなメリットがあります。ここでは、普段から走る習慣を作ることや、ブラインドマラソンの大会に参加することの魅力について紹介します。
体力がつく
視覚障害者には、体を動かす機会の少なさから体力が落ちている人もいます。マラソンを続ければ、楽しんでいるうちに自然と体力が付きます。体力に自信が持てれば、マラソン以外にもいろいろな活動に参加したい、自分の世界をもっと広げたいと思うようになるかもしれません。
参考:パラリンピックだけじゃない。もうひとつの舞台で輝く視覚障害者。 | Spotlite(内部リンク)
人生の楽しみが増える
マラソンが趣味になれば、人生の楽しみが増えます。日光の温かさや季節ごとの風の匂いを感じながら体を動かす時間は、いい気分転換になるでしょう。
また、外を走って日光に当たるとセロトニンという「幸せホルモン」が分泌されるため、精神的に安定しやすくなる効果も。マラソンは、高揚感や満足感といったポジティブな感情を引き起こしやすいこともわかっています。
人間関係が広がる
ブラインドマラソンの大会などへの参加は、人間関係が広がるきっかけになります。伴走者や視覚障害のあるマラソン仲間など、新しく知り合った人と関わるうちに、これまで気付かなかった世界を発見できるかもしれません。
最後に
視覚障害者のマラソンの概要やルール、メリットなどを紹介しました。視覚障害者のマラソンにはさまざまな魅力があります。興味を持った方は、ぜひ家族や友達と歩くところから始めてみませんか?
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