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啓発

目の健康診断 ~眼科へ行こう~

ランドルト環が書かれた視力検査表の上に眼鏡が置かれた画像

ガイドヘルパーの下田です。
今回は主に晴眼者の方に向けて、目の健康診断を受けて欲しいというお話です。

私の恋人は視覚障害者です。
知り合った当時は晴眼者で、車にもバイクにも乗ってIT関連の仕事をしていました。

数年経ったある日、目の異常に気付いて眼科へ。
異常に気付いてから、わずか数ヶ月で今まで通りの生活が出来ないほどの視野欠損。
そのまま障害者手帳を取得しました。

眼科を受診する前、目の端に見えないところがあると気付いた時は本人も私も重要なことだと思っていませんでした。

「何かおかしいなら早く眼科行ってきなよ」

「今週は忙しいから、来週行けるかな」

なんて呑気な会話をしていたことを覚えています。
そしてそれを後悔しています。

病気に気付ける予兆はいくつかありました。

その時、もっと深刻に考えていたら。
早くきちんとした検査をしていたら、ここまで悪くならなかったのではないか?

私のそんな後悔と反省を踏ませて、今回の記事を書きました。

普段、眼科に行きますか?

突然ですが、みなさんが最後に眼科へかかったのはいつですか?
その時は、何を診てもらいに行きましたか?

  • ものもらいができた
  • 花粉症やアレルギーで薬が欲しくて
  • 眼鏡やコンタクトレンズを作るための処方箋をもらいに

など、必要があって通うことがほとんどではないでしょうか。

皆さんは、自分の目の状態を普段から気にしていますか?

年に一回、企業で健康診断を受けている人も多いかと思います。
しかし、目の健康についてはこれだけでは不十分なのです。

健康診断では、視力の測定しかありません。
目の病気は、視力の低下だけとは限らないからです。
実際の視覚障害者の中にも、視力はあるのに視覚障害という人も多く存在します。

最近眼科に行っていない人は、この機会に眼科で目の健康診断をおすすめします。

眼科の診察室で検査機に顔を乗せている下田さんを後ろから撮影した画像
診察室で機械を覗いて検査している様子

目の健康診断

私が行ったのは街の個人クリニックでした。
「目の健康診断をしてほしいです」と受付に伝え、待合室へ。
眼圧と視力の測定のあと、医師の問診。
気になる項目がある場合は詳しい検査を行うことになります。

よくきく初期症状

視覚障害者の多くは、自分では気がつかないうちに病気が進行しています。
もしこんな症状に気が付いたら、早めに眼科へ行きましょう。

  • 暗いところが見えにくくなった。
  • 明るいところが見えにくくなった。
  • 段差につまづくようになった。
  • 目の前に急に人が現れるようになった。
  • ボールなど、動くものが目で追えなくなった。
  • 視界の中に影がある。
  • 視界の中に見えない部分がある。
  • 眼鏡をかけても遠くが見えにくい。近くが見えにくい。
  • 以前より周りが眩しく見える。もしくは暗く見える。
  • 目が常にかすむ。
  • 物がゆがんで見える。
  • 左右の目で見え方が違う。

上記挙げたもの以外でも、目に違和感や痛みがあったり、見え方がいつもと違う場合はすぐに眼科に行きましょう。

初期に異常を発見し、正しい治療をすれば完治もしくは進行を大幅に遅らせることができる眼疾患も多くあります。

目を大事にする方法

『風邪を引かないためにうがい手洗いをする』というように、目の健康維持に役立つ方法をいくつか紹介します。

栄養素

左上に人参とほうれん草、右上にイチゴ、左下にナッツ、右下に豚肉が写っている画像
  • ビタミンA
    →新陳代謝を上げて、夜盲対策にもなります。
    (食材例)人参、ほうれん草
  • ビタミンB1、B2
    →視神経の働きを助けます。
    (食材例)豚肉、アーモンド
  • ビタミンC
    →水晶体の透明度を保ち、ドライアイ対策になります。
    (食材例)ほうれん草、いちご
  • ビタミンE
    →血行を促進して、疲れ目やドライアイ対策になります。
    (食材例)アーモンド
  • ルテイン
    →水晶体や網膜を酸化から守ります。
    (食材例)ほうれん草
  • アントシアニン
    →目の疲れやぼやけを防ぎます。
    (食材例)いちご

タバコをやめる

タバコを吸うことで加齢黄斑変性のリスクが上がります。

運動をする

血液の循環がよくなります。

サングラス、遮光眼鏡を使う

紫外線は目に良くありません。UVカットのものを選びましょう。

パソコンやスマホとの付き合い方

目からなるべく離して使う。
画面は眩しすぎないよう、輝度を調整してください。
15分ごとに少し休みましょう。その時、遠くを見ると目の筋肉の緊張を緩和できます。
まばたきを意識して行うのもおすすめです。

コンタクトを使う人は、無理せずメガネで過ごす日も

目の調子が悪い日は、無理せずメガネを使用しましょう。

自分に合ったメガネやコンタクトを使おう

視力が落ちているのに、見えにくいメガネをそのまま使用していると目に負担がかかります。
自分に合ったメガネやコンタクトを使うためにも、定期的な眼科受診が必要です。

眼科医からのメッセージ

目の健康診断について、私が定期的に通っている神奈川県秦野市のまえだ眼科院長、前田陽先生にお話を伺いました。

前田先生が診察室で笑顔で座っている画像
まえだ眼科 前田陽院長

前田先生のお話

企業などの健康診断にも目の検査はありますが、レントゲンや血圧などと違い、目は特に軽く考えられがちです。
視力や片目だけの眼圧測定では、見落とされてしまう疾患もあるので、それとは別に一度きちんと眼科で診てもらうと安心でしょう。

セルフチェック

格子状の線の中心に黒い点が書かれた画像
片目ずつ黒い点を見る

自分で簡易的にチェックする場合は、片目ずつ検査して下さい。
例えば、表の中の黒点を30㎝ほど離れた場所から片目ずつ見て、ゆがんだり欠けたりしているところがないかを確認します。

最後に

目の病気は、痛みも自覚症状も無いまま進行していることが多々あります。
近年、スマートフォンやパソコンを日常的に使うようになり、無意識のうちに目を酷使しています。

ぜひ一度、目のことを考えてみてください。特別な自覚症状がなくても、定期的に眼科へ行きましょう。

始めは専門医のいる大きな病院でなくて構いません。自分の目の状態について知っておきましょう。早く異変を発見することで、できることがあります。

この記事を書いたライター

下田ゆかり

1985年神奈川県生まれ。警備業に10年以上従事していたが、28歳の時、交際相手が視覚障害者になったことをきっかけに、ガイドヘルパーの仕事を始める。同行援護従業者養成研修一般過程・応用過程修了。介護職員初任者研修修了。

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