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視覚障害

視覚障害者の見え方はどのようになっている?特性ごとに紹介

白杖を持つ女性と、ガイドヘルパーの足元。写真中央にもみじが一枚落ちている。

視覚障害者の見え方は、一人ひとり異なります。全く見えない人、ほぼ光を感じ取れない人、ぼんやりと光がわかる人、輪郭がうっすらと感じられる人と様々です。では、どのような見え方の人がいるのでしょうか。

この記事では、視覚障害者の様々な見え方について紹介します。

視覚障害者の見え方を体験したい場合は、以下のアプリをダウンロードして、使ってみてください。

参考:「見え方紹介アプリ」をApp Storeで(外部リンク)

参考:見え方紹介アプリ – Google Play のアプリ(外部リンク)

見え方紹介アプリのロゴ

詳しい使い方は、以下のページで解説しています。

参考:正しい障害理解の手助けに。「見え方紹介アプリ」とは | Spotlite(内部リンク)

見え方は人によって異なる

視覚障害者の見え方は、それぞれ異なります。主に以下のような見え方があります。

全盲

医学的には光も感じない状態をいいます。社会的盲、教育的盲という表現もあります。社会的盲は、ある程度の視機能があるものの、かなり見えないため視覚以外の感覚を使って日常生活をしている状態をいいます。教育的盲は、ある程度の視機能はあるが、かなり見えないため視覚以外の感覚による教育をすべき状態です。

引用:視覚障害者の理解のために|国立障害者リハビリテーションセンター(外部リンク)

緑内障、網膜性素色変性、糖尿病性網膜症、視神経萎縮などで全盲となる場合があります。

参考:全盲とは?原因、仕事や生活について解説 | Spotlite(内部リンク)

ぼやけて見えにくい

矯正眼鏡をかけてもピンボケの状態になり、焦点を合わせられず、細かい部分を見分けるのが難しくなります。症状を軽くするためには、弱視眼鏡、拡大読書器などの活用が有効です。

参考:同行援護従業者養成研修テキスト編集委員会(2021年)『同行援護従業者養成研修テキスト 第4版』

参考:松井奈美(2018年)『同行援護ハンドブック 第3版』

木の葉を見上げた写真。赤から緑にグラデーションになっているモミジとその向こうにピントのぼやけた緑の葉が見えている。

まぶしさによって見えにくい(羞明)

弱視の方にはまぶしさを訴える方も多くいます。網膜色素変性症、進行期の緑内障、無虹彩、虹彩欠損、眼皮膚白皮症などによって起こることがあります。対策としては、サングラスや遮光眼鏡の活用、文字を読む時に白黒を反転させる方法が効果的です。

以下の記事でも「羞明」について解説しています。

参考:羞明とは?原因や症状、治療法を紹介 | Spotlite(内部リンク)

参考:同行援護従業者養成研修テキスト編集委員会(2021年)『同行援護従業者養成研修テキスト 第4版』

参考:松井奈美(2018年)『同行援護ハンドブック 第3版』

暗い場所で見えにくい(夜盲症)

明るい場所から暗い場所に行った際に、目が慣れる「暗順応」に困難がある人は、鳥目とも呼ばれる夜盲症の症状で暗い場所で見えにくくなります。

参考:同行援護従業者養成研修テキスト編集委員会(2021年)『同行援護従業者養成研修テキスト 第4版』

参考:松井奈美(2018年)『同行援護ハンドブック 第3版』

以下の記事でも「夜盲症」について解説しています。

参考:夜盲症とは?症状や原因、対策方法を紹介 | Spotlite(内部リンク)

視野の周辺部が見えにくい(求心性視野狭窄)

網膜色素変性症などが原因で起こる視野障害では、トンネル視野とも言われる求心性視野狭窄という症状が起こることがあります。物の中心部しか見えないため、近くにあるものを探したり、歩いたりする時に困難があります。

参考:同行援護従業者養成研修テキスト編集委員会(2021年)『同行援護従業者養成研修テキスト 第4版』

参考:松井奈美(2018年)『同行援護ハンドブック 第3版』

視野の中心部が見えにくい(中心暗点)

黄斑変性、視神経萎縮などの眼疾患によく見られるのが、中心暗点です。視野の中心部が見えにくい症状が現れます。対策としては、見る対象を拡大鏡で大きくすることなどが効果的です。

参考:同行援護従業者養成研修テキスト編集委員会(2021年)『同行援護従業者養成研修テキスト 第4版』

参考:松井奈美(2018年)『同行援護ハンドブック 第3版』

以下の記事でも「中心暗転」や「視野狭窄」について解説しています。

参考:視野狭窄とは?症状、関係のある病気、チェック方法を解説 | Spotlite(内部リンク)

色づいたイチョウの木を見上げた写真。中心が白く光って外側に行くにしたがって色がはっきりしている。

身体障害者手帳認定基準(視覚障害)

等級は視力や視野によって決まります。ここでは、身体障害者手帳における認定基準を紹介していきます。

視覚障害の障害等級

1級

  1. 視力の良い方の眼の視力が0.01以下のもの

2級

  1. 視力の良い方の眼の視力が0.02以上0.03以下のもの
  2. 視力の良い方の眼の視力が0.04かつ他方の眼の視力が手動弁以下のもの
  3. 周辺視野角度の総和が左右眼それぞれ80度以下かつ両眼かつ両眼中心視野角度が28度以下のもの
  4. 両眼会報視認点数が70点以下かつ両眼中心視野視認点数が20点以下のもの

3級

  1. 視力の良い方の眼の視力が0.04以上かつ0.07以下のもの
  2. 視力の良い方の眼の視力が0.08かつ他方の眼の視力が手動弁以下のもの
  3. 周辺視野角度の総和が左右眼それぞれ80度以下かつ両眼中心視野角度が56度以下のもの
  4. 両眼開放視認点数が70点以下かつ両眼中心視野死人点数が40点以下のもの

4級

  1. 視力の良い方の眼の視力が0.08以上0.1以下のもの
  2. 周辺視野角度の総和が左右眼それぞれ80度以下のもの
  3. 両眼開放視認点数が70点以下のもの

5級

  1. 視力の良い方の眼の視力が0.2かつ他方の眼の視力が0.02以下のもの
  2. 両眼による視野の2分の1以上が書けているもの
  3. 両眼中心視野角度が56度以下のもの
  4. 両眼中心視野点数が70点を超えかつ100点以下のもの
  5. 両眼開放視認点数が40点以下のもの

6級

  1. 視力の良い方の眼の視力が0.3以上0.6以下かつ他方の眼の視力が0.02以下のもの

身体障害者福祉法施行規則(外部リンク)に基づいた一覧表は、視力障害と視覚障害についてそれぞれ以下の通りです。2018年7月1日から認定基準が改定されました。

視力障害

視力障害の認定基準の一覧表。前項の内容を表にしたもの。

視野障害

視野障害の認定基準を一覧表にしたもの。 ゴールドマン型視野計、自動視野計それぞれの認定基準を2級から5級まで一覧にしている。

視野障害には、2種類の測定方法があります。ゴールドマン型視野計、または自動視野計のどちらかを用います。

障害等級の加算

視力障害と視野障害がある人は、両方を加算し、以下のように等級が決められます。

視覚障害等級=視力障害等級+視野障害等級

1級=2級+3級もしくは3級+2級
2級=3級+4級もしくは4級+3級
3級=4級+4級
4級=5級+5級

視覚障碍者が窓口にパスケースを提示している写真。

視覚障害者の障害者手帳の取得については、以下の記事も参考にしてください。

参考:視覚障害者が障害者手帳を取得できる基準は?申請方法やメリットを紹介 | Spotlite(内部リンク)

最後に

視覚障害者の見え方は多様です。視力や視野によって障害等級が決まりますが、一人ひとり見え方は異なります。もし身近にいる視覚障害者のサポートをする場合には、積極的にコミュニケーションを取ることを意識してみましょう。

Spotliteでは、視覚障害者の外出時にガイドヘルパーを派遣する障害福祉サービス「同行援護」の事業所を運営しております。利用者、ヘルパーともに、若年層中心の活気ある事業所です。余暇活動を中心に、映画鑑賞やショッピング、スポーツ観戦など、幅広いご依頼に対応しています。お気軽にお問い合わせください。

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※ 当事務所は、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、および香川県に対応しています。

監修:椎野めぐみ先生

略歴
眼科医。神奈川県生まれ。浜松医科大学医学部卒業後、横浜市立大学付属病院、みなと赤十字病院などを経て、横浜市立大学講師を務める。2018年上智大学グリーフケア研究所臨床傾聴士を取得。趣味は、美味しいものを食べること、感動する本を読むこと。