街を歩いていると、道や電車、バスの中などで盲導犬を見かけることがあります。
穏やかで可愛らしい盲導犬に、つい手を差し出したくなる気持ちがわく人もいるかもしれません。
しかし盲導犬は一般のペットとは特性や役割が異なるため、安易に触れないよう気をつける必要があります。
この記事では、街中で盲導犬に出会った際に、してはいけないことや接するポイントなどについてお伝えしていきます。
盲導犬の訓練内容や費用などについては、次の記事も参考にしてください。
参考:盲導犬とは?仕事や犬種・訓練内容・費用について解説 | Spotlite(内部リンク)
盲導犬にしてはいけないこと
盲導犬に出会ったとき、どう接したら良いのでしょうか。まずは、盲導犬にしてはいけないことがどんなことなのか、紹介します。
盲導犬の気をひかない
盲導犬に声をかけたり、気を引くようなことをするのはやめましょう。例えば次のような行為です。
- 盲導犬に声をかける
- 盲導犬と目を合わせる
- 盲導犬の頭をなでる
- 盲導犬のハーネスを触る
- 口笛などの音を鳴らす
盲導犬は、視覚障害者を目的地に連れて行くという役割があります。そのため障害物や交差点、段差に注意しながら集中して歩いています。
「かわいいね」「お利口だね」と声をかけて目を合わせたり、体に触れたりすることは、盲導犬の集中力を途切れさせてしまいます。盲導犬は、ペットとは異なります。
また、音を鳴らしたり口笛を吹いたりすると、盲導犬がそちらに気をとられてしまい、よそ見をしたり注意がそれてしまう可能性もあります。
これらは、視覚障害者と盲導犬の事故にもつながりかねません。犬好きの人も、遠くから見守りましょう。
食べ物を見せたり、与えたりする
盲導犬は、外出先で食べ物を食べないようにしつけられています。しかし食べ物を見せられると、そのことが気になってしまい集中力が途切れてしまう可能性もあります。刺激を与えないことが大切です。
また、盲導犬には排泄のリズムがあります。そのため、視覚障害者が食事や水を与えるタイミングを考えています。街中で盲導犬に出会っても食べ物や飲み物を与えないようにしてください。
自分のペットを近づける
ペットの場合、道で出会うと交流させることがありますが、盲導犬の場合は不要です。
むしろ交流をすることで集中力を欠いてしまい、視覚障害者を目的地へ安全に導く仕事に支障が出る可能性があるので避けましょう。
勝手に写真や動画を撮る
写真や動画の撮影は、シャッター音やフラッシュなどが発生するため、盲導犬を刺激してしまうことになります。
また、視覚障害者が写真に映り込み、肖像権の侵害が生じるおそれもあります。大前提として、視覚障害者や盲導犬に限らず、勝手に誰かの写真を撮るのはよくない行為です。撮影は控えましょう。
盲導犬を見かけたら?
これまで、盲導犬にしてはいけないことについてお伝えしてきました。次に、盲導犬を見かけたら、どのように接すればよいのかをご紹介します。
見守る
まず私たちが街中で盲導犬に出会った際には、何も手を出さずにそっと見守るのが第一です。盲導犬が集中力を欠いてしまうと、本来の仕事である安全に歩くことが達成できないからです。
道を渡れるか聞く
もし道路で困っている様子が見られたら、声をかけてみてください。
特に注意を払ってほしいのが横断歩道です。音響信号がない場所も多く、周囲の車通りや人通りが少ない場所では、信号が青かどうかがわかりにくい場合があります。
渡れるかどうか迷っていそうな盲導犬や視覚障害者を見かけたら「赤ですよ」「もうすぐ青に変わります」などの一言が、重要な情報提供となる場合があります。
迷っているとき、危険が迫っているときは、声をかける
もちろん信号や横断歩道以外でも、街で迷って立ち止まっていることがあるかもしれません。
あるいは進行方向が分からず、同じ場所をぐるぐると移動していたり、障害物にぶつかったりするという場面に遭遇することがあるかもしれません。
もし視覚障害者や盲導犬が困っているような様子が見られれば、声をかけてみてください。その際には盲導犬にではなく、視覚障害者に声をかけることが大切です。
視覚障害者への声のかけ方や誘導方法は、こちらの記事もぜひ参考にしてください。
参考:すぐできる!視覚障害者のためにできること|声のかけ方と誘導方法 | Spotlite(内部リンク)
最後に
これまでお伝えしてきたように、盲導犬はペットとは異なり、視覚障害者を目的地まで導くという任務を遂行しています。かわいく穏やかなため、つい触れてしまいそうになりますが、視覚障害者と盲導犬の安全のためにそっと見守りましょう。もし困っていそうなことがあったら、盲導犬ではなく、ユーザーである視覚障害者に、声をかけてみてください。
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