2025年8月17日の日曜日、東京都新宿区の牛込箪笥区民ホールにて同行援護事業所みつきのイベント「みつきエキスポ」が開催されました。2024年から始まったこのイベントも今回で3回目。テーマは、「ミュージック×テクノロジー×夏祭り」、サブタイトルは「MU-TECH-FES(ミューテックフェス)」です。当日の模様をお伝えします!
これまでのみつきエキスポについては以下のリンクから
視覚障害者と一緒に作る、2部構成のステージ
「久しぶり!元気だった?!」
「もうすぐ午前中のステージ発表です。お席にご案内しますか?」
会場のあちこちで、元気な声が飛び交います。
白杖を持った人や晴眼者、抱っこやベビーカーの小さなお子さんに小学生、10代20代の若い方、ご高齢の方、盲ろう者の方、車いすの方……。老若男女、見え方も多様な人たちが来場してくださいました。
今回のみつきエキスポのテーマは、「ミュージック×テクノロジー×夏祭り」。当日は、音楽を中心とした2部構成のステージ発表と、体験型のイベントブースが開催されました。
Spotllite編集長でもある株式会社mitsuki代表の高橋のあいさつで、第一部のステージからスタートしました。
ステージの司会は、視覚障害者の安藤さんと晴眼者の渋谷さん。出演者は、プロの声楽家から趣味で音楽をやっている方、子どもたちの合唱まで盛りだくさん。ジャンルも、クラシック、ミュージカル音楽、詩の朗読、ダンス、ポップス、アニメソング、演歌とさまざまでした。
すべての出演者が「やりたい!」という気持ちで準備し、この日を迎えたことがステージから伝わります。客席からも声援や手拍子が自然と広がって、盛り上がりました。

イベントブースも大盛況。音で狙える射的や輪投げも
第一部のステージが終了後、お昼からはイベントブースがスタート。どのコーナーも徐々に人が集まり、ほとんどのブースで空き時間ができないほどの盛況ぶりでした。
縁日コーナーでは、参加する視覚障害者の見え方に合わせた工夫が見られました。

特に人気があったのは射的コーナー。
大きな絵を描いた紙皿の「マト」の前で鈴を鳴らし、「音のする方向に撃ってください」と声をかけます。最初は慣れない射的に緊張気味の子どももいましたが、みんな楽しそうに参加していました。

輪投げコーナーでは、光が見える方向けにライトを置いてマトにしたり、見えない方向けには鈴を鳴らして目標を知らせていました。

カードゲーム遊戯王の体験コーナーでは、点字と読み取りペンを使った音声読み上げ機能をカードに追加し、カードを置くガイドをレゴで手作りしていました。

AI体験コーナーでは、ChatGPTを活用した体験メニューを用意しました。「日常生活のお役立ち」「エンタメ」「お仕事相談」「画像認識」などのメニューで、AIの活用をスマートフォンで体験できました。

株式会社Ashiraseの金子さんは、最新のAIメガネ「Ray-Ban Meta」を体験用に持参してくれました。Meta社とRay-Banの共同開発商品で、日本未発売品ですが話題になっています。カメラが内蔵されていて、専用アプリとともに使います。視覚支援アプリ「Be my eyes」などと連携もできるそうです。
株式会社Ashirase公式サイト:Ashirase(外部リンク)
「Ashirase」や「Be my eyes」の説明は以下の記事からもお読みいただけます。
恒例のビンゴ大会・株式会社mitsukiの新ビジョンの発表も

午後のステージ第二部の合間に、恒例のビンゴ大会が2回開催されました。
1回目のビンゴの前に、代表の高橋から株式会社mitsukiの新しい会社ビジョンを発表しました。
新しいビジョンは「明日にわくわくする社会」です。
高橋「みつきは、同行援護を通してお出かけの機会を提供していますが、それに限らず色々な“わくわく”を作っていける会社になりたいと思っています」

Spotliteでは「明日にわくわくする社会」を実現するために、これからもさまざまな企画や情報を発信していきたいと思っています。
フォトギャラリー
当日の様子を写真でお伝えします。
ステージ第一部
小汐唯菜さん

東京パラリンピックでも歌を披露した声楽家の小汐さん。ガイドヘルパーでもあるご友人の伴奏でクラシックからミュージカル曲まで歌ってくれました!
詞者会

点字の原稿を指でなぞって自作の詩の朗読をしてくれました。ピアノ演奏とのコラボも。
歌とピアノのミニミニコンサート

高校のクラスメイト同士のデュオで歌を披露。
いちご合唱団

「放課後ルームいちご」の子ども達と保護者、ガイドやボランティアの皆さんで合唱。緊張している子も楽しそうな子も、それぞれの表情が印象に残りました。
ステージ第二部
KAKEUSA

自作の組曲を披露しました。
永野友樹さん

大阪を拠点に活動する永野さん。カバー曲とオリジナル曲を披露しました。
プチワルキューーーレ

アニメソングを5人のハーモニーで歌い上げました。
清水博正さん

演歌歌手の清水さん。持ち歌を披露しました。
たんたんず

ピアノとボーカルのユニットで、すばらしい演奏を披露。
チームTNK

美しくしなやかな車いすダンス。
いもむしベイベー

「好きなメロディーを全力で奏でるユニット」と自己紹介してくれました。
ハルさん

人前での弾き語りは久しぶりというハルさん。
Yuさん

現在ボーカル教室に通っているというYuさん。
カラオケタイム!! HINATAさん

バンド活動もしているというHINATAさん。
イベントブース

AI体験の様子。列が途切れず盛況でした。

お菓子を袋に詰めて重さを当てる「重さ当てゲーム」

ミニサイズの積み木を、手探りで30秒でどれだけ積むことができるかを競うゲーム。晴眼者も目を閉じて参加できます。

カードゲームを体験中。

明治安田生命さんの健康チェックコーナーも好評でした。

福祉相談コーナーもご用意しました。

ビンゴカードは手で触れて進行具合がわかり、周囲の人が番号を見て視覚障害者をサポートをすることでコミュニケーションにもつながります。

全ブース回ってシールを集める、スタンプラリー用のカード。

スタンプラリーでシールを集めると引けるガラガラ抽選もありました。
記事内写真撮影:Spotllite
取材・執筆:aki
編集協力:株式会社ペリュトン