最近、同行援護事業所を運営する中で、利用者さんに対して、利用停止や解約という判断をするケースが何件かありました。
そこから、仕事や生活において「自分は何を大切にしたいのか」について考えました。
成長の機会になる意見と、ハラスメント
私は元々、お客様から厳しいことを言われることは大歓迎です。もちろん気持ちが落ち込むことはありますが、自分たちでは気づけない改善点が見つかることもありますし、耳の痛い意見の中に成長のヒントがあることも多いからです。
以前、顧問社労士とカスタマーハラスメントの話題になった際、「お客様の声を、なんでも排除してしまうと成長できない」と教えていただいたことがあります。
それ以来、まずは自分たちに改善できることがないか考えるようにしています。実際、利用者さんやヘルパーさんからいただいた声によって改善されたこともたくさんあります。
ただ、今回は少し違いました。
複数の関係者から同じような相談が寄せられたり、客観的に見ても一方的な言動やセクハラに該当すると判断せざるを得ないケースがありました。会社として利用停止や解約という対応を取った案件もあります。
気持ちの良い仕事ではありません。できればそんな判断はしたくないのが本音です。しかし、その対応をする中で改めて考えたことがありました。
それは、「自分は誰を大切にしたいのだろうか」ということです。

私が一番大切にしたいのは何か
世の中には「お客様第一」という言葉があります。もちろん利用者さんは大切です。
同行援護事業所みつきは利用者さんがいて初めて成り立ちますし、外出を支えるという仕事にも大きなやりがいを感じています。
しかし、私は昔から少し違う考えを持っています。
私が一番大切にしたいのは、一緒に働く仲間です。正社員として働いてくれているメンバーもそうですし、全国で活動してくださっているガイドヘルパーの皆さんもそうです。
なぜなら、働く人たちの優しさや明るさ、心の余裕が、最終的には利用者さんに届くと思っているからです。その結果、社会が優しくなれば嬉しい。そう考えています。そのために、会社の代表である私が、「一緒に働く仲間を大切にする」ことを最も体現していることが重要だと考えています。

社員やヘルパーが疲れ切っていたり、不安を抱えていたり、理不尽な思いを我慢し続けていたら、それは必ずサービスにも影響します。利用者さんに良いサービスを届けたいのであれば、まず働く人たちが安心して働ける環境を作ることが最優先である。
そんなことを考えていた一方、家庭では全く余裕がない日々が続いていました。
「AIに抱っこはできない」と気づいた日
我が家には、もうすぐ2歳になる娘がいるのですが、赤ちゃんのころから抱っこでしか寝てくれません。寝かしつけの時間になると、ひたすら抱っこです。
私は、連絡も返したいし、資料も作りたいし、やりたいことはいくらでもあります。
でも、抱っこしている時間は何も進みません。毎日イライラして、寝かしつけが終わった瞬間、エネルギーが尽きていました。
「子どもの寝顔を見れば、疲れが吹き飛ぶ。全部許せる」という話を聞いたことがあります。私は、そんな訳あるかい!と思っていました(笑)。寝顔を見てもかわいいな、と思うだけで、使った時間とエネルギーは取り戻せないからです。(今振り返ると、ひどい考えです……。今ではそう思っていません)
そんなイライラする毎日を送る中、私が信頼するメンターと話をしたときにふと気づきました。
私は普段からAIを活用して、人間が人間らしい仕事に集中できる会社を作りたいと話しています。AIに任せられることはAIに任せて、人がやらなくてもいいことは仕組み化する。結果、人にしかできないことに時間を使えるようにする。そんなことは、現代では当たり前です。
では、今の自分にしかできないことはなんでしょうか。そう考えた時に出てきた答えは、「子どもを抱っこして寝かせること」でした。
近い将来、子どもが大きくなったら抱っこは嫌がられるでしょう。「お父さんくさい、洗濯物を一緒に洗わないでほしい」と言われるのもあっという間かもしれません。抱っこで寝てくれるのは、おそらくあと数ヶ月です。何より、AIに抱っこはできません。そう考えると、この時間は案外貴重なのかもしれないと思えるようになりました。
「一緒に働く仲間を大切にしたい。そのためには、私がまず明るく、元気に、心に余裕を持って生活する」そう思っていても、家でイライラしていれば、必ず仕事でもそれは滲み出てしまいます。
利用者さんのために、社員やヘルパーが楽しく安心して働ける会社に

私たちは、毎月末に正社員を中心に全体会議を行っています。新しく入ったメンバーも含めて、全員が楽しそうに話をしている姿を見て、この雰囲気をさらに大きくしたいと感じました。
利用者さんに満足いただけるサービスを提供する会社でありたいと思っています。
ただし、その前に社員やヘルパーが、明るく、楽しく、安心して働ける会社でありたいのです。彼らが笑顔で働けるからこそ、利用者さんにも良い時間を届けられると思っています。
今回の出来事を通じて、改めてそんなことを考えた1か月でした。
最近は、ガイドヘルパーの皆さんと直接お会いする機会が少なくなりつつあります。本当はもっともっと、リアルでお会いしたいなと思っています。これからはいつ、どんなときに出会っても、明るく元気な高橋だと思いますので、見かけた際にはどうかお気軽にお声がけいただけると嬉しいです。
この記事を読んで、少しでも共感してくださったみなさまと、一緒に働ける日を楽しみにしています。
記事内写真撮影:Spolite
編集協力:株式会社ペリュトン