ガイドヘルパーのみーちゃんです!
秋風が吹き渡る涼しい季節を過ぎ、少しずつ肌寒くなってきました。涼しくなってきた今の時期にぴったりなのがランニングです。
2025年3月に、同行援護事業所みつきではランニングクラブが発足しました。今回の記事ではそのご紹介を兼ねて、ガイドランナーの伴走やリレーマラソンへの参加についてレポートします。
過去に、みつきでは伴走教室を実施しました。(このイベントは終了しています)
競技のブラインドマラソンについては、以下の記事も参考にしてください。
「とにかく走ってみようか」はじめてのガイドランナー
学生時代に陸上部だった私は、視覚障害者のスーパーアスリートYさんに誘われ、はじめてガイドランナーを経験しました。以前の記事でもご紹介したYさんは、私がガイドヘルパーをするきっかけをくださった方です。
全く伴走の経験がない私は、「とにかく走ってみようか」とYさんに言われるがまま、おおよその説明を受けて走り始めてみました。
ガイドランナーの役割は大きく分けるとふたつあります。
ひとつ目は、ガイドロープを使用して併走することです。ランナーとガイドランナーの2人が、ガイドロープを握り合い、同じタイミングで腕を振って走ります。
ランナーとガイドランナーの間にガイドロープがあるため、ランナーが右手でガイドロープを持つ場合は、伴走者は左手にロープを持ちます。左右が逆の場合も同様です。

ふたつ目は、通常の同行援護と同様に情報提供を行うことです。走路上の障害物や状況、曲がるタイミング等を伝え、ランナーが困難なく走れるようにサポートをします。
言葉にすると簡単なように思えますが、実際に走ってみると、私にとっては難しいことばかりでした。
ガイドロープに最初は戸惑い「スムーズではないランニング」に
まず、ガイドロープを使った併走に関してです。通常歩行での同行援護では、「止まる」「動き出す」といった情報はガイドヘルパーの肩や肘から伝わることがあります。もちろん言葉での情報提供が基本ですし個人差もありますが、とっさの際にはガイドの動きが直接相手の身体に伝わるという安心感があります。ところが、ガイドランナーとして併走する場合、間にガイドロープがあり直接身体に動きが伝わりません。
また、走行時に干渉してはいけないので、ガイドはランナーのペースや腕振り、歩幅に合わせる必要があります。その際、手足の動きが左右対象になります。私は、信号待ちの後の走り始めは何度ももたつきました。お互いに少し距離のある二人三脚を想像すると良いかもしれません。はじめて使うガイドロープは、その安心感のなさと勝手の分からなさにかなり戸惑いました。
情報提供に関しては、とにかく早く先読みをすることが大切になります。
通常の同行援護でも、具体的な言葉での情報提供が必須です。しかし、ガイドランナーのときは、「数十メートル先に集団がいるので右に避けていく」「数十メートル走ったら左に90度曲がる」等、より早いタイミングで伝える必要があるのです。
さらに、同じ正面からの障害物であっても、「歩行」と「走行」では迫ってくるスピードが全く違います。走りながら伝える情報の優先順位をつける必要があり、慣れないうちはかなり混乱します。止めてある自転車も、発見が遅ければ間に合わず、Yさんに何度も「ごめんなさい!」と謝りながら、スムーズではないランニングとなってしまいました。
ランナーとガイド、お互いがガイドロープと相手を信頼し合う

はじめてのガイドランナーを終え、Yさんが教えてくれたのは「ガイドロープは引っ張りすぎず緩すぎず持っていれば、ロープを通じて伴走者の存在や感じが伝わるよ」ということでした。
ガイドロープは「きずな」とも呼ばれています。その名の通りガイドランナーである私とランナーを“つなぐ”ものです。不安を感じていた距離感や、上手くいかなかったスタートのもたつきは、おそらくYさんにも伝わっていたのだと思います。
二人三脚の例を挙げましたが、まさに一心同体となり、ランナーとガイドランナーの双方がガイドロープと相手を信頼し合うことが重要になるのだと気づきました。
また「情報は早めに、簡潔に伝えてくれると対応しやすいかな」とも教えてくださいました。走りながらの情報提供はスピード感が大切です。私自身も身をもって体験したように、遅れてしまうとスムーズな走行ができませんし、何より危険です。
陸上をしていた私は、走るときに風を切る気持ちよさをよく知っています。Yさんと調整しながらでしたが、少しずつペースを掴めると同じ気持ちよさを味わえて、「Yさんにとってもそうであったら嬉しいな」と感じました。
みつきランニングクラブで、ハーフリレーマラソンに参加

そんな経験を踏まえ、二度目のガイドランナーをしたのが、みつきランニングクラブ発足後、はじめての活動でした。2025年3月初旬、大井陸上競技場で開催された「東京・品川マラソンフェスタ」で、粉雪が降る寒空の下、初心者とベテランの2チームで約21キロのハーフリレーマラソンに出場しました。
はじめてタッグを組む利用者さんもいましたが、Yさんとの練習を生かすべく、コミュニケーションを取りながら、ランナーがイメージしている通りの「走り」が実現できるよう精一杯ガイドし、無事に完走することができました。
代表高橋のコラムでも、みつきランニングクラブの活動をご紹介しています。
その後も、同行援護で伴走のご依頼をいただき、みつき以外のクラブでも何人かのランナーとランニングをして、ガイドランナーの経験を積んでいます。少しずつですがコツが分かり、一緒に風を切りながら走る瞬間はとても清々しい気持ちになります。
発足して1年に満たないみつきのランニングクラブですが、より多くの皆さんにそんな気持ちを味わっていただきたいです!
「伴走」とひとくちに言っても、ランニングだけでなくウォーキングからはじめたり、各クラブや公園で軽い練習をしたりする方もいらっしゃいます。ぜひ気負わず、参加してみてくださいね!
競技者を対象とした「ガイドランナー認定制度」について、日本パラ陸上競技連盟の鈴木さんに取材した記事は以下のリンクからお読みいただけます。
執筆:みーちゃん
記事内写真撮影:Spotlite
編集協力:株式会社ペリュトン