同行援護とは、移動が困難な視覚障害者が外出するときに必要となる、介護や支援を適切に行う福祉サービスのことです。同行援護は通院でも活用できます。ただし、状況によって算定できない時間があるなど、注意が必要です。
この記事では、同行援護で通院を活用する際のポイントや注意点を解説します。視覚障害者で通院が必要な人は、ぜひ参考にしてください。
通院に同行援護は活用できる
同行援護は通院でも活用できます。視覚障害者にとって、一人で通院することは大変で、危険を伴う場合もあります。
同行援護は「視覚情報の提供」が目的であり、病院内でも必要な情報を提供する場面が多くがあります。
ただし、自治体によっては同行援護ではなく居宅介護の「通院等介助」を利用するよう指定される場合もあります。居宅介護とは、ヘルパーが自宅を訪問し、入浴や食事、排泄などの介護や家事などを行う福祉サービスです。
同行援護で通院ができるのか、自治体によって運用が違う場合があるので、どんなサービスが利用できるか、事前にお住まいの自治体に確認しましょう。
同行援護では院内介助も可能
同行援護では、院内介助も可能です。診察室内の移動は、病院のスタッフが対応することが多いですが、希望があれば同行援護従業者が院内介助を行います。
院内介助は、病院内で行う以下の援助をさします。
- 病院内の移動
- 排せつの介助
- 視覚情報の提供
視覚障害者が希望する場合には、診察や薬の説明時に同行援護従業者が同席します。
参考:『同行援護従業者 養成研修テキスト 第4版』
同行援護と院内介助の違い
同行援護は視覚障害者の外出時の移動や排泄、食事の介護などを行います。一方、院内介助は病院内における介助です。病院内の移動や排泄などの介助を行います。
また、同行援護は同行援護従業者が行うもので、院内介助は病院のスタッフが行うことが基本です。しかし病院側が対応できない場合や視覚障害者に同行が必要だと判断される場合は、同行援護で院内介助が利用できます。
同行援護で通院する際の注意点
同行援護で通院する際の注意点は、以下の3つです。
- 何も支援をしていない時間は算定できない
- 院内介助には前提条件が必要
- 同行援護でできることとできないことを把握しておく
各注意点を詳しく説明します。
何もしていない時間は算定できない
通院での同行援護において、何もしていない時間は算定できません。具体的に、算定できないのは次の場面です。
- 診察(リハビリ、検査など)の待ち時間
- 診察中(リハビリ、検査など)の待ち時間
院内介助についての判断は、自治体によって変わる場合があるので、事前に確認しておきましょう。
院内介助には前提条件が必要
同行援護の院内介助は、病院側が対応できないことが前提となります。
利用する病院がどこまで介助してくれるのかを事前に確認しておくと、安心です。
同行援護でできることとできないことを把握しておく
同行援護でできることとできないことを把握しておくことも大切です。できることとできないことを把握することで、サービスの提供がスムーズに行えます。
同行援護のサービス内容は、主に以下の3つです。
- 移動時及びそれに伴う外出先において必要な視覚的情報の支援(代筆・代読を含む。)
- 移動時及びそれに伴う外出先において必要な移動の援護
- 排泄・食事等の介護その他外出する際に必要となる援助
参考:『同行援護従業者 養成研修テキスト 第4版』
同行援護の詳細は、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
参考:同行援護とは?支援内容や対象者・移動支援との違いを解説 | Spotlite(内部リンク)
最後に
同行援護は通院にも利用できます。通院の場合も視覚情報は多いので、同行援護を利用することでスムーズに診察等が受けられるでしょう。
同行援護での院内介助も可能ですが、病院側が対応できないことが前提となります。また自治体によって判断が異なる場合があるので、あらかじめ病院や自治体に確認しておくと安心です。
Spotliteでは、視覚障害者の外出時にガイドヘルパーを派遣する障害福祉サービス「同行援護」の事業所を運営しております。利用者、ヘルパーともに、若年層中心の活気ある事業所です。余暇活動を中心に、映画鑑賞やショッピング、スポーツ観戦など、幅広いご依頼に対応しています。お気軽にお問い合わせください。
LINEアカウントはこちら(外部リンク)
※ 当事務所は、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、および香川県に対応しています。