イベントの開催状況がコロナ以前の状況に戻りつつある昨今。せっかくなら、すてきなイベントや活気ある雰囲気を味わいたいですよね。
同行援護は日常の外出の補助だけでなく、初めて行く場所の散策にも利用できます。
同行援護についての詳しい解説は、以下の記事も参考にしてください。
参考:同行援護とは?支援内容や対象者・移動支援との違いを解説 | Spotlite(内部リンク)
Spotliteは、視覚障害者の外出サポートとして同行援護事業に取り組んでいます。今回は、同行援護を利用したイベント参加の模様をレポートします。
今回の同行援護の概要
2022年12月17日~18日に、上野恩賜公園で開催された「三陸なう」。三陸の復興支援のために学生団体が開催したもので、三陸に関連した飲食物の販売、ワークショップでの体験会などができるイベントでした。
休日の人出と屋台の活気でお祭りのような雰囲気の中、北原新之助さんは同行援護を利用しました。
周囲の音が大きいうえ、人も多い場所でしたが、北原さんとガイドヘルパーの谷越陽さんは、イベントを満喫しました。
お二人の略歴
北原 新之助(きたはら・しんのすけ)さん
網膜色素変性症で視力は両目とも0.05。視野は2〜3度で、夜盲がある。白杖ユーザー。普段の生活は1人で送っており、同行援護の利用は今回が初めて。
谷越陽(たにこし・みなみ)さん
ガイドヘルパー(取材当時)。学生のうちにSpotliteの事業所で資格を取得し、ガイドヘルパーを始める。普段のガイドでは、同行援護利用者が日常生活でよく行く場所への付き添いをすることが多い。
※現在は学校を卒業後就職し、ガイドヘルパーは休業しています。
狭い歩幅でゆっくり歩く
イベントスペース入り口に着き、谷越さんが会場内の説明を始めました。
谷越 「私たちが今いる右側に三陸の屋台がたくさんあって、反対の左側に三陸以外の食べ物があります。タコ焼きとかチョコバナナがありますね」
北原 「知り合いにメカジキのカマ焼きとサンマのつみれ汁をおすすめされたので、どちらかだけでも食べてみたいです」
谷越 「その2つは三陸の屋台の方にありそうです。早速歩いてみますか」
人が多く歩きにくかったので、普段より狭い歩幅で少しゆっくり歩く谷越さん。他の人とぶつかりにくくするために、いつもより近い距離でガイドをしていました。
屋台の横を通るたび、谷越さんがそれぞれどんな屋台かを説明しながら歩き続けます。端まで歩ききると、太鼓の音が聞こえてきました。
近くのステージで太鼓パフォーマンスが始まったので、2人は用意された椅子に座って鑑賞することに。北原さんが通路に近い席に座りました。
谷越 「視覚障害者は晴眼者より視覚から得られる情報が少ない分、席を立って移動するのが大変です。だからいつも私が奥に座って、視覚障害者の移動量が少しでも少なくなるようにしています」
細やかな心配りが、いたるところに
太鼓パフォーマンスの後に向かったのは、イベントスペース入り口付近にある屋台「あなたのいつかを助けるノート」の販売場所。オリジナルの防災マニュアルを、三陸の高校生スタッフが販売しています。
北原さんが視覚障害者であると伝えると、ノートの中身を丁寧に説明してくれました。
スタッフ 「このページには東北の方の体験談をもとにした教訓が書いてあります。ところどころ穴埋めする部分があるので、お時間あれば一緒に作りませんか?」
残念ながら時間がなく一緒に作ることはできませんでしたが、後日穴埋めするためにノートを一冊購入して、その場を離れました。
最後に向かったのは、サンマのつみれ汁を販売する屋台です。
谷越 「サンマのつみれ汁、サメのフカフカ団子汁、メカジキのカマ焼きが売ってますね。どれにしますか?サメも美味しいらしいですよ」
北原 「サンマのつみれ汁にしようかな」
北原さんも谷越さんもサンマのつみれ汁を買って、イベント会場を後にしました。
人混みでも楽しく過ごせました
知らない場所に1人で行くと、どこに何があるかわからず不安になると言う北原さん。今回は同行援護を利用したことで、安心して過ごせたと言います。
北原 「『人混みで歩きづらいから』とイベントやお祭りに出かけることは気が進まなかったのですが、同行援護のおかげで普段の外出の何倍も楽しむことができました!」
Spotliteでは、視覚障害者の外出時にガイドヘルパーを派遣する障害福祉サービス「同行援護」の事業所を運営しております。利用者、ヘルパーともに、若年層中心の活気ある事業所です。余暇活動を中心に、映画鑑賞やショッピング、スポーツ観戦など、幅広いご依頼に対応しています。お気軽にお問い合わせください。
LINEアカウントはこちら(外部リンク)
※ 当事務所は、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、および香川県に対応しています。
(記事内写真撮影:Spotlite)