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歩行訓練士とは?仕事や訓練について解説

白杖の人と歩行訓練士が歩いている写真

視覚障害者の自立支援を行う歩行訓練士の仕事。どのような資格を取得したら歩行訓練士になることができ、どのような業務を行っているのでしょうか。

この記事では歩行訓練士の仕事内容、その資格の取得方法について解説します。

歩行訓練士とは

歩行訓練士とは、視覚障害者の生活訓練ができる民間資格です。

民間の資格ではありますが厚生労働省の認定資格にもなっていて、2018年時点までの課程修了者・卒業生の合計は742名です。

視覚障害者が一人でも安全に歩けるように指導と訓練をする専門職であり、視覚障害生活訓練指導者とも呼ばれます。歩行以外にも、視覚障害者の日常生活全般の自立のための訓練もします。

参考:歩行訓練士(視覚障害生活訓練等指導者) | 独立行政法人 福祉医療機構(外部リンク)

歩行訓練士の仕事内容

歩行訓練士というと「歩くことの訓練をする」と思う方が多いでしょう。

実は、歩行訓練士は歩行に関することだけではなく視覚障害者の生活全般のサポートを行っています。

白杖の選定、白杖の振り方や持ち方、点字の読み書き、視覚障害者向けのパソコンやスマホの操作など、生活訓練全般を担当します。

また、見えにくさからくる困りごとの相談を受けたり、情報提供などを行うのもたいせつな仕事のひとつです

視覚障害者を支援する仕事には、外出時の支援をする同行援護従業者という資格もあります。詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。

参考:同行援護とは?支援内容や対象者・移動支援との違いを解説 | Spotlite(内部リンク)

Spotliteの代表の高橋は、歩行訓練士の資格を保有しています。

歩行訓練士は、視覚障害者の自立をサポートするために欠かせない仕事です。「歩行訓練」という名前から、白杖を使った歩行訓練だけを行うと誤解されがちなのですが、他にも日常生活や点字の訓練、スマホやパソコンの操作練習など、視覚障害者の自立を幅広く支援する専門職です。

歩行訓練士の主な職場

歩行訓練士の仕事は、視覚障害者のサポートです。

主な職場は、以下の通りです。

  • 各地の視覚障害リハビリテーションセンター
  • 自治体の自立支援センター、福祉センター
  • 福祉施設、高齢者介護施設
  • 視覚支援学校
  • 視覚障害者支援をしているNPO法人や公益財団法人
  • 点字図書館
  • 同行援護事業所

上にあげたものは一例です。

参考:訓練施設一覧 | 日本歩行訓練士会(外部リンク)

歩行訓練士の給与水準

歩行訓練士の給与水準はさまざまです。求人によってはパートやアルバイトもあります。正社員の場合、月収20万円前後から30万円以上まで様々です。どんな仕事でもそうですが、働く施設・事業所・労働条件等によっても変動します。

参考:歩行訓練士(視覚障害生活訓練等指導者) | 独立行政法人 福祉医療機構(外部リンク)

歩行訓練士になるには?

白杖の男性とガイドヘルパーの足元の写真

歩行訓練士になるためには、国立障害者リハビリテーションセンター(埼玉県所沢市)または社会福祉法人日本ライトハウス(大阪市)による2年間の課程を修了する必要があります。

基礎科目から専門科目までを座学で学びながら、実技や演習を通じて訓練の技能を身につけていきます。

主なカリキュラムの概要は以下の通りです。

  • 基礎科目
    福祉・心理・教育・医学など
  • 専門科目
    ロービジョンや重複障害など視覚障害リハビリテーションに関する専門的な内容
  • 実践科目
    実技や演習が中心。視覚障害リハビリテーション訓練の技術・指導法

実習や演習では、アイマスクやシミュレーションゴーグルを使用し視覚障害者の不安や生活面の難しさなどを疑似体験します。

履修時間はおよそ3,000時間です。また資質についての審査もあります。

課題なども多く簡単ではありませんが、それだけ専門性が高い資格ともいえます。

歩行訓練の実習中の高橋さん。アイマスクをして白杖を使っている。

私が卒業した埼玉県にある国立障害者リハビリテーションセンター学院では、2年課程で幅広い専門知識を学ぶことができます。自分がアイマスクをしての歩行演習など実技の時間も多く、より実践的な技能を身につけることができました。

参考:歩行訓練士になるには | 日本歩行訓練士会(外部リンク)

歩行訓練士とほかの資格の違い

歩行訓練士とほかの資格との比較をまとめました。

理学療法士と歩行訓練士の違いは?

理学療法士は主にリハビリステーションで体の自立支援を行う仕事です。一方で歩行訓練士は視覚障害者のみを対象として生活全般の自立支援を行います。

作業療法士と歩行訓練士の違いは?

作業療法士は主にリハビリステーションで手や指の動作などの自立支援を行う仕事です。一方で歩行訓練士は視覚障害者のみを対象として生活全般の自立支援を行います。

視覚障害者やご家族の生活が、より良い方向に変わっていく瞬間を間近で見ることができるのが歩行訓練士の魅力だと思います。
全国では、まだまだ歩行訓練士が不足している地域もたくさんあります。ぜひ歩行訓練士に関心をもっていただき、1人でも多くの歩行訓練士が活躍していただければ嬉しいです。

最後に

民間資格である歩行訓練士は、専門的な技能が求められる仕事です。

視覚障害者の自立支援をサポートし、資格を習得するためには専門的な講習を受ける必要があります。

簡単に取れる資格ではありませんが、それだけ専門性も高く、また歩行訓練士はたくさんのことを学んでいるともいえます。

歩行訓練士を目指している方は、ぜひ養成機関に問い合わせをしてみてください。

Spotliteでは、視覚障害者の外出時にガイドヘルパーを派遣する障害福祉サービス「同行援護」の事業所を運営しております。利用者、ヘルパーともに、若年層中心の活気ある事業所です。余暇活動を中心に、映画鑑賞やショッピング、スポーツ観戦など、幅広いご依頼に対応しています。お気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いたライター

Spotlite編集部

Spotlite編集部は、編集長で歩行訓練士の高橋を中心に、視覚障害当事者、同行援護従業者、障害福祉やマイノリティの分野に精通しているライター・編集者などが協力して運営しています。

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