視覚障害者のための外出を支援する障害福祉サービス、同行援護。
同行援護の目的は「社会生活上必要不可欠な外出、社会参加のための外出」とされているため、やってはいけないこと・できないことがあります。
厚生労働省のサイトでは、以下の場合は同行援護の対象外としています。
- 通勤、営業活動等の経済活動に係る外出
- 通年かつ長期にわたる外出
- 社会通念上適当でない外出
参考PDF:障害者等の移動の支援について | 厚生労働省(外部リンク)
この記事では、同行援護のやってはいけないことやできないこと、やっていいことやできることをQ&Aで解説します。同行援護の利用を検討している人や同行援護の従業者になろうと考えている人は、ぜひ参考にしてください。
同行援護の対象外となる外出
同行援護の対象外となる外出は、厚生労働省のサイトで以下の3つが挙げられています。
- 通勤、営業活動等の経済活動に係る外出
- 通年かつ長期にわたる外出
- 社会通念上適当でない外出
参考PDF:障害福祉サービスの在り方等について(22ページに記載) | 厚生労働省(外部リンク)
逆に、上記に当てはまらなければ、買い物や散歩、映画鑑賞から旅行まで、幅広い内容で利用できます。
Q&A|同行援護でやってはいけないこと・できないこと
国が定めている同行援護で対象外となる外出のルールは、上記の3つです。しかし、これだけではイメージがつきにくい人も多いと思います。
ここからは、同行援護でやってはいけないこと・できないことをQ&A形式で紹介していきます。現役の同行援護ヘルパーや同行援護の利用者もコメントしていますので、ぜひ参考にしてください。
また自治体によっては、同行援護の対象範囲が少し異なることがあります。詳しくは各自治体の担当窓口にお問合せください。
同行援護ヘルパーに車を運転してもらってもいい?
ヘルパーが車を運転している時間を、同行援護としてサービスに含めることはできません。
なぜなら、ヘルパーの運転中は利用者の支援を行えないからです。ヘルパーとは別に運転手がおり、その車にヘルパーと利用者が搭乗する場合はサービス算定できます。
地方都市では、車の利用が必要不可欠な地域も多くあります。同行援護の事業所が、介護タクシー事業や福祉有償運送の許認可を受け、同行援護と組み合わせてサービスを提供している場合もあります。
現地集合、現地解散してもよい?
待ち合わせ場所や解散場所を、自宅以外の場所にすることは問題ありません。
目的地の近くまでの移動はできても、その先がわかりにくいという方もいます。例えば買い物に行くとき、ショッピングモールの最寄り駅で集合して、駅で解散するというケースがあります。また、自宅でヘルパーと待ち合わせをして新宿駅付近で用事を済ませ、解散時は家族と合流するから新宿駅で終了する、というように、待ち合わせ場所と解散場所が異なるケースでも利用できます。
自宅内での代筆・代読のために、同行援護を利用できる?
自宅内での代筆・代読のために同行援護を利用することはできません。
自宅内での代筆・代読は「居宅介護」となるからです。同行援護と居宅介護の両サービスを利用していれば居宅介護としての利用は可能ですが、同行援護のみ利用をしている場合は自宅内での代筆・代読は利用できません。例えば、カフェや市役所など、外出先で代読・代筆を行うことは問題ありません。
『同行援護』と、『居宅介護』は別の福祉サービスです。事業所の許認可や対応するヘルパーさんの資格も異なります。最初は難しく感じられる方もいると思いますので、お気軽にご相談ください。
ガイドヘルパーの交通費は誰が支払うの?
同行援護ヘルパーの交通費は、原則的に利用者が負担することになります。ただ、公共交通機関では障害者割引があり、ヘルパーの交通費も割引される場合があります。
また、入場料や食事代は、事業所によって誰が負担するか判断が異なりますが、一般的には利用者が負担する場合が多いようです。詳しくは事業所に確認しましょう。
Q&A|同行援護でやっていいこと・できること
次は、同行援護でやっていいこと・できることをQ&A形式で紹介していきます。
また自治体によっては、同行援護の対象範囲は少し異なる場合があります。詳しくは各自治体の担当窓口にお問合せください。
散歩に同行援護を利用できる?
利用できます。同行援護で利用できる内容は、「社会生活上必要不可欠な外出及び余暇活動等の社会参加のための外出」です。散歩は、余暇活動にあたり、問題なく利用できます。
参考PDF:障害者等の移動の支援について | 厚生労働省(外部リンク)
特にどこかに行く用事がなくても、健康づくりのために同行援護を気軽に使っている方もたくさんいます。
買い物に同行援護を利用できる?
買い物でも同行援護を利用できます。
ガイドヘルパーは、視覚障害者が購入したいものがある売り場まで誘導したり、商品の説明を行います。不明点はガイドヘルパーが判断したり決めたりせず、店員に確認し、最終的には利用者に判断してもらいます。また支払いは、基本的に利用者本人が行います。支援を求められたら、ガイドヘルパーが対応します。
参考:同行援護を利用して買い物へ。ガイドヘルパーが注意することとは? | Spotlite(内部リンク)
参考:『同行援護従業者養成研修テキスト 第4版』
例えば、流行の洋服を買いたい、ブライダル関連の準備をしたい、などのご依頼がある場合、的確に情報提供を行うために、同性で年代の近いヘルパーさんをマッチングすることがあります。
銀行に行くために同行援護を利用できる?
銀行に行くために同行援護を利用することは可能です。
ただし、お金に関するやりとりはトラブルになりがちなので、注意が必要です。お金や銀行印、通帳などは原則として利用者に管理してもらいます。また預金などの個人情報をガイドヘルパーが覗く行為もしないようにしましょう。支援を求められたら、都度金額の読み上げや状況の説明を行い、利用者が不快に感じないよう注意します。
参考:『同行援護従業者養成研修テキスト 第4版』
最近のATMの操作は、音声ガイダンスや受話器でのオペレーターサービスなどを使ってひとりで操作できるものが増えています。そのような場合、ガイドヘルパーは少し離れた場所で待機します。
参考:セブン銀行の音声ガイダンスサービスがとっても便利。きっかけは1通の手紙だった。 | Spotlite(内部リンク)
通院に同行援護を利用できる?
通院に同行援護は利用できます。
ただし、自治体によっては同行援護ではなく「居宅介護の通院等介助」の利用をするよう指示される場合もあります。そのため、事前に自治体の窓口に確認するようにしましょう。
一般的に通院でも同行援護を利用できるケースが多いですが、自治体によって判断が異なるため、まずはお住まいの自治体に問い合わせてみることをおすすめします。
最後に
同行援護で対象外となる外出は、以下の3つです。
- 通勤、営業活動等の経済活動に係る外出
- 通年かつ長期にわたる外出
- 社会通念上適当でない外出
上記に当てはまらず、「社会生活上必要不可欠な外出及び余暇活動等の社会参加のための外出」であれば同行援護を利用できます。
ただし、自治体によっては、同行援護の対象範囲が異なることがあるので、利用したい内容がサービスに含まれるかわからない場合、事前に確認しておくとよいでしょう。
Spotliteでは、視覚障害者の外出時にガイドヘルパーを派遣する障害福祉サービス「同行援護」の事業所を運営しております。利用者、ヘルパーともに、若年層中心の活気ある事業所です。余暇活動を中心に、映画鑑賞やショッピング、スポーツ観戦など、幅広いご依頼に対応しています。お気軽にお問い合わせください。
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