皆さん、みつき主催の人気イベント「さぬきうどん職人への道」はご存知でしょうか?
今年2024年の9月、視覚障害の有無に関係なく参加できる料理教室「さぬきうどん職人への道」を開催しました。
みんなでワイワイ、本格的なさぬきうどんを作って食べて、大盛況のイベントとなりました。
Spotliteの運営会社、株式会社mitsukiでは、ほかにもクレープパーティーや伴走教室など、さまざまなイベントを行っています。
イベントをたくさん行う発端は、今年4月に初めて開催した「みつきエキスポ」です。ボランティアでイベントに協力してくださったヘルパーさんから「よく、これだけのイベントを自分たちだけでやりましたね」とお褒めの言葉をいただきました。すぐ調子に乗る私は、規模こそ小さいものの、毎月1〜2回のペースでたくさんのイベントを企画してみました。
その結果、運営メンバーの採用面接を行った際には、「御社は、たくさんイベントをやられていますね。これからどのようなイベントをやりたいと考えていますか?」という質問を多数いただくようになりました。今回のコラムでは、私たちがイベントをたくさん行う理由と、その先に見据える理想の姿を共有したいと思います。
※なお、当社のイベントは、自社の同行援護サービスの利用有無は関係なく、他社の同行援護事業所をご利用して参加される方もいらっしゃいます。当社の利用を斡旋するようなことももちろんありません。あくまで独立したイベントとして認識していただければ幸いです。
イベントと同行援護。同行援護は手段か目的か。
イベントの話をする前に、同行援護とイベントの関連性について考えてみます。
同行援護は、視覚障害者が外出する際に、ガイドヘルパーが目の代わりとなり、移動の支援や情報提供を行う福祉サービスです。視覚障害者が、「◯◯に行きたい」という目的があり、そのためのヘルパーを要請するため、同行援護事業所に依頼をします。「何も用事がないけど、暇だから同行援護を使ってみよう」ということは基本的にありません。スマホゲームや動画サイトなどの娯楽とは性質が異なります。
視覚障害は情報障害であると言われます。行きたいところがなければ、同行援護をそもそも使う必要がありません。行きたい目的地があれば、同行援護を使うのか、一人で行くのか、家族や友人にサポートを受けるのか、手段を考えます。だからこそ、行きたい用事を作ることが重要です。
ただ、最終的に私達が目指しているのは、同行援護自体が目的になることです。「◯◯さんとおでかけしたいから、同行援護を使ってみよう」という世界ができれば面白いと思っています。しかし、いきなり同行援護が目的になることはありません。そのためにも、まずは同行援護を活用する目的が必要ではないかと考えています。
イベントの内容は?求められることより、やりたいことをやる。
イベントの内容は、どのように考えているかと言うと、「私たちがやりたいこと」をやっています。私は香川県出身で、幼少期から家族が協力しながら手打ちうどんを作る様子を見て育ちました。自分も麺棒でうどんを伸ばして、切って、食べた回数は数え切れません。
だからこそ、さぬきうどんの魅力を多くの方に伝えたいと思い、企画しました。
私がうどん教室をやりたいと言うまで、誰からも「うどん教室をやってほしい」という声はありませんでした。しかし、うどん教室を開催することを案内すると、定員を超えるお申し込みをいただきました。「皆さん、口に出さなかっただけで、潜在的にさぬきうどん作りに関心があったんだな」と嬉しくなりました。
他にも、クレープパーティーは、「クレープ屋さんをひらくことが夢」である運営スタッフの濵さんの発案でした。みつきのヘルパーさんと話をしていた際、たまたまクレープ屋さんで働いていた経験があることが分かり、トントン拍子で企画が決まり、実施しました。
ユーザーのニーズや社会の情勢、ビジネストレンドに合わせて、求められていることをやることも大切ですが、自分たちが楽しめることをやりたいという思いで、スタッフ自身が企画したイベントを開催しています。
クレープパーティーを開催するために、ホットプレートを2つ購入しました。ホットプレートは可能性の塊です。餃子から焼き肉、焼きそばからホットケーキまで、バリエーション豊富な料理が作れます。
しかし、使わないときは、かなり場所を取ります。普段は邪魔なようです。ホットプレートを活かした、楽しいイベントの企画も大募集中です。
イベントの目的は?顔の見える関係性を作りたい。
イベントの目的は、顔の見える関係性を作りたいということに尽きます。「顔の見える」とは、視覚的に見えることだけとは限りません。直接会って同じ空間を共有することで、お互いのことをより深く知り合える関係性を作りたいのです。
同行援護という制度は、現地集合と現地解散が原則です。利用者さんやヘルパーさんが、みつきの運営メンバーと話す機会はありません。また、利用者さん同士、ヘルパーさん同士が交流する機会もほとんどありません。
そこで私たちは、今年から毎月1回、「みつき運営メンバーと話そう会」を開催しています。会議室でお茶とお菓子を用意して、誰でも出入り自由でお話をするというイベントです。
誰もいない時間帯は運営メンバーが業務しており、イベントというよりは場所を開放しているという方が近いかもしれません。ありがたいことに、これまで、誰もいない時間帯はほとんどありませんでした。話そう会のときだけは、運営メンバーも業務より、皆さんと対話することを優先しています。
そうすると、オンライン会議やLINEのやり取りでは聞けないような話がたくさん出てきます。
聞く機会がなかったちょっと気になっていたことを相談したり、面談では分からなかったマニアックな趣味を聞くことができたり……。「話そう会」は、情報の宝庫です。
これから、もっともっとたくさんの方と直接話したいと思っています。
当社は、東京のオフィスを12月から秋葉原に移転します。これまでは、シェアオフィスに入居しており、自由に出入りできない状況でしたが、今後は自社オフィスとして契約しますので、誰でも立ち寄っていただけるような場所にしていきたいと考えています。
詳細は、あらためてご案内をしますので、皆様ぜひお越しください。
イベントが自主企画される。自然と人が集まり、つながる場所に。
現在、イベントは運営メンバーが中心になって開催していますが、今後は、イベントを開きたい方が自主的に集まり、企画から運営までを進めていけるようになればと考えています。
運営メンバーだけで考えると、どうしても同じような内容に偏りますし、そもそも私達はイベント会社ではありません(笑)。
イベントが好きな人が何人かいるだけで、イベントの企画や運営は素人同然です。もし皆さんの中で、イベントの企画や運営に関心のある人がいれば、ご連絡ください。
そして、自然発生的にたくさんのイベントが生まれてくることが理想です。
イベントが実施されるということは、人が出会うということです。参加者同士が交流する中で、今までには無かったような新しい人とのつながりが生まれる場所にしていきたいと思っています。
最後に。蕎麦打ち教室も開催します。
私は香川県出身であることを理由に、うどん作りにこだわってきました。しかし、最近、当社の中に手打ちそばが作れるヘルパーさんがいることを知りました。早速打ち合わせをして、12月にそば打ち教室を行うことになりました。
そういえば、香川から東京に出てきて最初に驚いたことは、お蕎麦屋さんの多さです。駅前にはコンビニのように立ち食いそば屋が乱立しており、デパートではイタリアンやお寿司屋さんに並んで、おしゃれなお蕎麦屋さんを見かけることがたくさんありました。
「よくみんな、これだけお蕎麦を食べるな〜」と思っていたのは、最初の数ヶ月。私も気づけば立ち食い蕎麦の虜になっていました。これは、香川県民のプライドを捨てたわけではなく、両方の魅力に気づいたということです。自分を正当化している気がしますが、食生活の選択肢が広がり、大変喜ばしいことです。ちなみに東京で生活するようになって、丸亀製麺も、はなまるうどんも大好きになりました。
うどんもそばも、どちらにも魅力があります。ぜひ、皆さん、今度は蕎麦打ち教室に参加してみませんか?
イベントの話をするつもりが、うどんで始まり、そばで終わってしまいました。
さて、11月はたくさんのイベントが控えています。
11月1日〜3日にはサイトワールドに出展します。11月9日土曜日には、ダブルダッチ体験会を開催します。11月30日土曜日には、みつきエキスポ秋を開催します。
皆様、ぜひご参加ください。
次回コラムのテーマはまだ未定です。お楽しみに。