同行援護には、一般的に「2時間ルール」と呼ばれている制度の解釈があります。
これは、1日で2回以上利用するときやヘルパーに休憩があるときに、間隔が2時間を超えるか否かによって、報酬および料金の算定方法が変わることを指しています。
今回は、難しく感じる「2時間ルール」をわかりやすく具体例を交えながら解説します。
この記事は、厚生労働省や各自治体の情報、日本視覚障害者団体連合のサイトを参考にしています。制度の理解を深める際の参考にしてください。
参考:日本視覚障害者団体連合「同行援護事業とは」(外部リンク)
同行援護の「2時間ルール」ってあるの?
同行援護の「2時間ルール」とは、制度に記載されている言葉ではありません。
同行援護を1日に複数回利用する際、サービスの間隔が2時間以上空く場合と2時間未満の場合では、計算方法が異なることを指して、一般的に「2時間ルール」と呼ばれています。
間隔が2時間以上空く場合は別々の利用と見なされ、2時間未満の場合は、前後の利用時間と合わせて1回分と計算されます。
参考PDF:「障害福祉サービス(訪問系)請求の手引き」17ページ目 | 墨田区福祉保健部障害者福祉課(外部リンク)
参考PDF:「同行援護事業Q&A(事業所編)」9ページ目|社会福祉法人 日本視覚障害者団体連合(外部リンク)
例を挙げながら考えてみましょう。算定単位についても説明します。
まず、サービスの間隔が2時間空いた場合です。例えば以下の時間帯で同行援護を利用したとします。
- サービス①10:00~10:25:自宅から目的地までの移動
- サービス②16:00~16:25:目的地から自宅までの移動
この場合は、25分のサービスを2回利用したと算定します。25分の単位数は184単位なので、2回の合計単位数は368単位(184単位が2回)になります。その結果、1単位=10円の場合、料金は3,680円です。利用者は原則的に1割負担なので、368円を負担します。
次に、サービスの間隔が2時間未満の場合です。以下の時間帯でサービスを利用したとしましょう。
- サービス①10:00~10:25:自宅から目的地までの移動
- サービス②11:00~11:25:目的地から自宅までの移動
この場合の所要時間は合計で50分です。50分の単位数は291単位で、1単位=10円の場合、料金は2,910円です。利用者は1割負担なので、291円を負担します。
所要時間ごとの単位数は、以下の書籍を参考にしました。
参考:「同行援護ハンドブック【第3版】 」視覚障害者の外出を安全に支援するために
上記のように、合計の利用時間が同じであっても、サービスとサービスの間隔によって算定方法や料金が異なります。
同行援護の1日の利用時間上限は?
「2時間ルール」のように同行援護の間隔におけるルールのほか、利用者の申請状況や利用計画に基づいて、各市区町村が1ヶ月ごとの利用時間を定めています。その範囲内であれば、1日の利用時間に制限はありません。
同行援護は、自分に支給された利用時間を確認しながら利用するように心がけましょう。
参考PDF:「同行援護事業Q&A(利用者編)」10ページ目(外部リンク)
同行援護の2時間ルールの注意点
同行援護中に支援と支援の間隔が空くときに、ヘルパーへの報酬をどのように設定するかは事業所によって異なります。同行援護のサービス算定対象外の報酬をガイドヘルパーに支払う場合は、サービスの報酬単価とは別に事業所から支払うことになります。
気になることがある場合には、お住まいの自治体や利用する事業所に確認しながら、利用者、ガイドヘルパー、事業所の3者が制度の範囲内で気持ちよく利用できる方法を見つけるのがいいでしょう。
最後に
同行援護の「2時間ルール」は、同行援護を1日に複数回利用する際の計算方法について、一般的に呼ばれている制度の解釈です。
利用の間隔が2時間以上空くか否かによって料金の計算方法などに違いが出るため、注意しましょう。
また、同行援護の1日の利用時間の上限はありません。1ヶ月の利用時間は各市区町村によって決められ、その範囲内であれば利用できます。
Spotliteでは、視覚障害者の外出時にガイドヘルパーを派遣する障害福祉サービス「同行援護」の事業所を運営しております。利用者、ヘルパーともに、若年層中心の活気ある事業所です。余暇活動を中心に、映画鑑賞やショッピング、スポーツ観戦など、幅広いご依頼に対応しています。お気軽にお問い合わせください。
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