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編集部から

「相手目線」で会話を楽しむコツを学ぶ みつきガイドヘルパー研修〈コミュニケーション編〉を開催 

講師の内田さんが前に立ち、壁面の大型モニターを指さしながらにこやかに話している。6名の参加者が椅子に座って話を聞いている。

同行援護事業所みつきでは、2026年8月24日にガイドヘルパー向けの「コミュニケーション研修」を開催しました。講師を務めたのは、フリーアナウンサーでガイドヘルパーとしても活躍する内田朱美さんです。当日は参加者6名が意見を出し合いながら進行し、日頃のガイドでの不安や失敗、疑問を共有する時間となりました。

講師紹介 内田朱美さん

ボタンの部分に黒い縦のラインが入った白いブラウスを着て、参加者に向けて話している内田さん。

テレビ山梨・テレビ神奈川の元アナウンサーで、現在はフリーアナウンサーとして活動されています。「うたうからだ学®︎」認定講師の資格も取得され、声の仕組みを科学的に分析した指導を行っています。声の専門家、話し方講師に加え、ガイドヘルパーとしても活躍されています。

昨年の内田さんの研修の様子は以下のリンクからお読みいただけます。

経験の異なるヘルパーが、あえて一緒に学ぶ理由

今回の研修は、ガイドを始めて1か月ほどの方から経験豊富なベテランヘルパーまで、あえて経験年数の異なる6名が一緒に学ぶ形を取りました。

運営スタッフは、そのねらいをこう説明します。

「経験が近い人同士を集めると、どうしても似たような悩みばかりが共有されがちです。経験の異なるヘルパーが一緒に学ぶことで、多角的な視点から悩みやアドバイスが集まります。ベテランの方にとっては初心を思い出すきっかけになりますし、経験の浅いヘルパーにとっては先輩の工夫を知って学ぶ時間にできる。そうした相乗効果を期待しています」

同行援護事業所みつきでは、昨年もヘルパー研修を実施しました。研修を重ねる背景には、ヘルパー同士が日頃の悩みを共有し、支え合えるつながりの場があることを伝えることはもちろん、ヘルパー育成に力を入れる姿勢を利用者やその家族にも伝えたいという思いもあります。「研修をしっかり行っていると知ってもらうことで、利用者さんに安心してお出かけを楽しんでもらいたい」とスタッフは話します。

研修はまず、「コミュニケーションとは何か」という問いかけから始まりました。参加者から「会話をすること」「情報交換」などさまざまな意見が挙がると、講師の内田さんはこう呼びかけました。

「身振り手振りや表情、触れることなども含め、自分の感情と相手の感情を双方向で伝達し合うのがコミュニケーションです。コミュニケーション力がアップすると、人間関係のトラブルが減る、仕事や生活が円滑になる、すると自分のストレスが減って人生が好転し始める。いいことばかりです。これをガイドのなかで発揮できたら、自分も利用者さんもいい時間が過ごせるはず。それをみなさんには学んでいただきたいと思います」

話題は「話すことが得意かどうか」に移ります。

ある参加者は「話すのは好きだけれど、自分の話より聞くことの方が多い」と話しました。これを受けて内田さんは、「聞くことができる人こそ、コミュニケーション上手」だと伝えます。

講師の内田さん、みつき運営スタッフ、参加者6人が椅子に座り全員で話し合っている様子。

「コミュニケーションとは、相手の話を聞いて、相手が何を求めているかを知ろうとすること。知ろうとする姿勢こそが、コミュニケーションの第一歩です」

今日のテーマは「相手目線」。相手が難しそうにしていないか、退屈そうにしていないかを察することの大切さが語られました。

「晴れの日は好きじゃない」このひと言にどう返す?

続いて行われたのが、二人一組になってのワークです。次のようなやり取りが題材になりました。

ヘルパー「今日は良い天気でよかったですね」

利用者様「私、晴れの日は好きじゃないんです」

さて、この後どう会話をつなげればいいのでしょうか。参加者からは、「日差しが強いですからね、傘でもさしましょうか」と話をそらす案や、「私も苦手なんですよ」と相手に寄せる案が出ました。一方で、「共感するふりで嘘はつきたくない。素直に『なんでですか?』と聞く」という声も。

これに対し内田さんは、「正解はひとつじゃない」と強調します。

共通点を探っていくのはコミュニケーションに必要な姿勢である一方、無理に話を合わせず、乗る・尋ねる・質問するといった対応もすべて「あり」だといいます。

ただし、「それ違いますよ」と相手を否定し、攻撃するような返しはしないこと。たとえ不本意な言葉をかけられたとしても、いろいろな人がいると受け止める姿勢が大切だと強調します。相手を変えることは難しくても、自分の受け取り方を変えることならできる。そんな視点も共有されました。

参加者が二人一組で話している様子を、講師の内田さんが笑顔で見守っている。

ガイドヘルパーに必要な3つの心構え

最後に内田さんから、ガイドヘルパーに必要な要素として次の3点が挙げられました。

ポジティブな心:前日や当日の朝に何があっても、それは利用者には関係ない。明るく元気にガイドを行うこと。

熱いハートとクールな頭脳:会話が盛り上がっていても、足元や周囲の安全確認を怠らないバランス感覚。

相手目線:利用者が今日のお出かけに何を求めているかを考え続ける姿勢。

正解のない仕事だからこそ、気持ちや会話の運び方次第で「合格点」に近づけていける、という考え方が共有されました。

ペンを持ちメモを取っている参加者の手元。

後半は、参加者から日頃の困りごとや疑問が次々と挙がりました。

「利用者からの要望で対応に迷う場合」「利用者に同伴者がいる場合の線引き」「同行先の施設の職員から何か言われた場合の対応」など、具体的な場面が共有され、運営スタッフも交えて講師の内田さんとともに考えました。また、運営スタッフからは「緊急電話対応もしているので、必要な場面では事業所を頼ってほしい」との呼びかけもありました。

運営スタッフと研修参加者が立って談笑している。テーブルには飲み物やお菓子がある。
研修終了後も、運営スタッフを交えて悩み相談や雑談が続きました。

研修を終え、運営スタッフはこう振り返ります。

「今日の話がすぐに実践で生かされる、ということがなくても、これからの経験の中で『あのときの話はこういうことだったのか』とじわじわ響いてくれたら嬉しいです。私たちも普段ヘルパーさんと話す機会が少ないので、皆さんの声が聞けてよかった。ヘルパーのみなさんと利用者さんが、安心してお出かけできるよう、私たちにできることがまだまだたくさんあるなと感じました」

マンツーマンで支援を行うガイドヘルパーだからこそ、こうして経験や悩みを共有し合える場は貴重です。みつきでは今後も、質の高い支援を目指した研修を継続していきます。

執筆・写真撮影:白石果林
編集協力:株式会社ペリュトン

この記事を書いたライター

Spotlite編集部

Spotlite編集部は、編集長で歩行訓練士の高橋を中心に、視覚障害当事者、同行援護従業者、障害福祉やマイノリティの分野に精通しているライター・編集者などが協力して運営しています。

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